妹を助けようとしたことで異端審問官に目をつけられた主人公
何やら急に事件が発生しました。海で離岸流に捕まっておぼれかけている妹を救うために、咄嗟にあり得ない力を発揮した主人公。そしてやっぱり以前に病気で失ったのは妹だったようです。妹を病気で失ったことを切っ掛けに、二度とそのような病気で命を取られたくないと薬学の研究に打ち込んだようですので。
で、無事に妹を助けることは出来ましたが、その時に発動したとんでもない魔法が異端審問官に注目されることになってしまったようです。異端審問官と言えば、その名の通りに異端者を裁く連中ですが、とにかく悪名高いです。中世に教会の手先として敵や不都合な相手はすべて異端として抹殺してきた殺人狂集団ですので。まあ中世のキリスト教会なんてカルトがメジャーになっただけみたいな組織ですから、そういう裏組織をいくらでも飼ってます。某カルトが自分達に敵対する連中をサタン認定して命を狙うのと同じで。
ただ引っかかったのは、この連中って何の宗教の異端審問官なんだろう。この世界は薬神がいるくらいだから多神教国家だと思うのだが、異端審問官の類いは基本的に一神教の元で誕生するもので、唯一神に対する信仰の仕方が間違っているとして断罪するんだが、そもそも多神教だったら異教徒みたいなものでその余地がないのだが・・・。それとも問答無用で異教徒を抹殺するような中世カトリックのような連中か? しかしそれだったら、国の国民を丸ごと根絶やしにする必要があり、主人公だけ特に狙うのも奇妙だが。
ようやく「敵」の登場で少しはストーリーが動き出したか
まあその辺りは良く分からんが、とりあえずヤバい連中が登場、主人公にとっては初めての明確な「敵」でしょう。ただ主人公は基本的に戦闘向きではないですが、その気になったら戦闘に使える魔術も心得ているはずですが。もっともこの主人公は人道主義者なので、たとえ相手が悪党でも余程のことがない限りは圧倒的な魔力で抹殺ということはしないだろうな。
あまりにも何もなさ過ぎて退屈至極と言っていたからではないでしょうが、さすがに少しこの辺りで変化をつけてきましたか。まあ妥当ですね。今回までまだ薬局経営がどうこうとか、みんなで海に行ってどうこうなんて与太話が続くようだったら、私は落ちてた可能性が高いです。いや、正直なところギリギリでした。
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