どうやらこの小ネタのために、あの不自然な組織名が決まったようだ
小さな家のテロリストと対峙するCIAと諜報員の面々、どうやらクルマの傷は最初から手術など必要ないレベルのかすり傷だったんだが、この船に連れてくるために重症扱いにしたという謀略だったとか・・・なんて強引な展開。
で、格好をつけて名乗るテロリスト達の組織の正式名称はスペイン語で「UNA CASITA」で音が「おなかすいた」。これにたまらず吹き出す牡丹とクルマ達というすっとこどっこいな展開をしてますが。これ「ちいさな家」なんてテロリスト名としては不自然な名前は、明らかにこのネタのために用意したんだなということが推測つく。正直なところ小ネタがイタイ。
で、このお腹空いた連中と牡丹たちの戦いになるんだが、奴らはテスラの欠片の能力の使い方を心得ているらしく、精神を操る欠片と伝記を操る欠片を組み合わせてロボットを操作してしまうというご都合主義。しかもFBIの連中の空手家のボスまで参戦しての白熱した戦闘シーン・・・になるはずなんだが、相変わらすカクカクしたキャラの動きが悪いんだよな。どう考えてもこの作品、3DCGを最大限手抜きのためだけに使ってるな。それでなくてもデフォルメや効果なんかを使用できる2Dのアクションシーンと違って、3Dフィギュアが動くアクションシーンは、存在感が中途半端にリアルなせいで妙に淡々としたメリハリのないものになりがちなんだが、この作品の場合それが露骨も露骨。
毎度のことながらすべてを破壊し尽くして余りあるひどい画面
結局のところ、毎度のようにアクションシーンが決まらないから、スパイアクション作品としては腰砕けな展開になってしまうんだよな。今回の内容なんて、犯人とのチェイスも格闘もあるわけだし、一昔前のセルアニメの方が余程白熱するシーンになったと思われる。だけどそういうところは手を抜いて3Dフィギュアを動かしてるだけなんだよな。
前から言っているように、スパイアクションとしての基本的なストーリーは決して悪くない。だけどそれを破壊し尽くしてあまりあるぐらいの映像面でどうにもならなくなってるんだよな。合間に入ったCMをみたら、どうやら原作は普通のコミックの模様。それならなんでわざわざこんな腑抜けた作品に作ってしまったんだろう。
ところでテロリストのやたらに喋っていた方、今後もあちこちで嫌みタップリに現れるのかと思ってたんですが、あっさりと死んじゃいましたね。そしてその死に動揺を隠せない忍者としてどうなののヒロイン。もう何を言っていいんやら。それにしても石田彰って、こういういちびった美少年系悪党をやらせたら、いかにも小憎らしい存在感で見事に決めてくれますね。格好つけて「オナカスイタ」と繰り返すところなんて見事です。何かこういうところしか見所がなかったような。
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