前半はあからさまに蛇足ですよね
今回の前半は「閑話休題」って雰囲気ですね。カズヤが例の分身魔法を使って動かしている着ぐるみをパーティに参加させて地下通路探検をするという。そう言えばこの作品って最初から終始一貫してこういういかにも異世界冒険な話が皆無だったんですよね。
地下水路にあんなとんでもないモンスターがいて良いのか?という疑問はともかくとして、この話って結果として本筋と全く関係ない話ですね。カズヤは「少し考えていることがある」と後々で何か絡んでくることを匂わせてはいたが、展開的に見ても全く不要な話だった。
後半は完全に展開が読めた
で、後半は新しい港町を作って流通を盛んしにして収益を上げるぞというシムシティ的物語。カズヤがやけにいつにないアジ演説かましてましたが(「立てよ、国民!」)、カズヤ以下部下連中まで含めて睡眠不足でハイになっていましたって話か。だけどこれもどうでも良い話。特に笑えるってわけでもないし。
だが良港として選んだ地は海神様のお怒りのために家を建ててはいけないとされていた土地だったって、もうこの時点で「ああ、津波の伝説が残ってるんだな」ってのはすぐ分かる。だから後の展開は全く読めたところ。だからこの程度のことをドヤ顔で言われてもなって気がかなりしてしまった。
ここに来て一番の問題は、話中の一番の策士も作者のレベルを超えることはないという制約。この作品の作者のことはよく知っているわけではないが、今まで出て来たネタで大体この作品の作者のバックグラウンドとそのレベルが見えてるんだよな。だからどうやってもネタに意外性がなくなってしまう。その上に今回はどうでも良いような内容が非常に多かったので、どうにも退屈だったなと言うのが本音。元々作品がどっちに向いているのかが不明確という問題があるのに、これで退屈に感じるようになってきたらいささかしんどくなる。ここまではそう悪くもなかったのだが、今回は中だるみか?
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