白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

現実主義勇者の王国再建記 第8話「森、鳴動す」

今回は災害対応の心得になっている

 前回の都市建設に続いて、今回は災害時対応。それにしても異色の事務系異世界転生物語だが、さすがにネタが地味すぎる気がして、見ていて納得はするのだが作品として面白いか言われるとかなり微妙になってきた。

     
Blu-rayは発売がある模様

 災害対応は初動が肝心で72時間の壁とかはまさにその通りなんだが、だからといってこの世界でそれをどうするかってところだな。事前の備えを怠っていたことで災害の被害を防げなかったことを悔いるなんて言うのは、為政者として立派すぎる姿勢であり、オリンピック優先した結果としてコロナを蔓延させた挙げ句に、未だに無策のままパラリンピックを強行なんていう菅や小池に見せてやりたいぐらいだが、しかしそういう為政者としての姿勢をこういう作品で言われてもな。別にこの作品の意図は社会風刺や批判などではないだろうし。

 

独自設定が生かし切れずに盛り上がりに欠けた印象

 結局のところ、現実主義勇者の王国再建記となっているが、実際には勇者要素は皆無で「普通の名君の王国再建記」なんですよね。確かに主人公が現在の統治機構や科学の知識を持っていることが随所で微妙に効いていたりはするが、現実にはこれらのことはあの世界でも普通の名君なら分かっていて然りのことばかりなんですよね。災害対応は初動が大事とか、災害を起こさないための事前の備えなんてものは、別に現代社会でなくても江戸時代以前でも分かっていて、普通に立派な君主だったら当然考えたことなんで。

 目下のところは内政問題ばかり。それも数話前には「地方軍閥の反乱の動き」という話が動きそうな情報があったにもかかわらず、それは知らない間に立ち消え。あの時にカズヤが何かを聞かされたみたいだが、それを気を持たせただけで完全になかったことに。というわけで全く話が動かなくなっている。流石に終盤になってきたら何か動きは出るんだろうけど。まあ多分、終盤か見えてきたところで反乱が具体化して、それを何とか鎮めて雨降って地固まるで国が安定してとりあえずの目出度し目出度しっところで完だろうけど。で、もし好評ならあわよくば第二期だが、まあ山ほどある転生ものの中で埋もれてそれっきりってパターンだろうな。

 他と差別化図るために導入した官僚的な主人公という設定が、確かに他の転生ものとは違う特徴を示しはしたが、それが必ずしも作品として面白くなるという方向には働かなかったという印象だな。もっと高度な政略駆け引きの物語に出来れば盛り上げようもあっただろうが、この作品の作者には残念ながらそこまで引出はなさそうだし。最初始まった時には「結構面白い切り口かも」と思ったが、結果としてはそれを生かし切れなかったというのが正直な感想だな。まあまだ締めくくるには早いから、最後の盛り上がりに期待するけど。

 

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