白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021夏アニメ 木曜日編

 今年の夏アニメの木曜版です。今期も例によってBS11を中心にその他を加えてチェックしていく予定です。とりあえず水曜日の晩に放送された作品を。

 

チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~ 第1話

 いわゆる転生もので、異世界に薬師として転生した元社畜がマッタリとドラッグストアを経営して・・・という話のようだが、特に何も起こらないのんびりした空気がどこかで覚えがあると思えば、昨シーズンの「スライム倒して300年」だった。あれの主人公を男にしたらそのまんまという印象。しかも元々が社畜って過去もそのままで、さらに言えば作品において前世の記憶がどこかで影響を与えるとかということが全くないので、転生の意味が全くない(最初からそういうキャラがその世界に存在していたとしても全く何の不都合もない)というところまで一緒である。別にわざわざ転生ものにする必然性は皆無なのだが、最近は転生ものが流行らしいからそこに乗っかっとこうってところだろうか。

     

 で、彼が開いている薬局に同居しているのが人狼の少女と幽霊少女というのも、ドラゴン少女と幽霊が同居していたあの作品ソックリ、さらに今後もヒロインがワラワラ増えていきそうな模様。ちなみに主人公が特に前職が薬剤師とかいう設定はなさそうにも関わらず、いきなりこっちの世界で自在に薬を調合出来るのが、恐らく転生時に得た特殊スキルということなんだろうが、そんなものはわざわざ転生設定をしなくても、子供の頃から薬調合に興味を持っていた人物ということにしたら何の問題もない。

 主人公のキャラも毒にも薬にもならないタイプで、性格を一言で括れば「普通」というのに尽きる。特に何らかの強い意志を持って転生してきたわけでもなさそうで、おかげで極めて山も谷もない毒にも薬にもならないストーリーとなっている。

 というわけで、もしかしたら作品自体は暇な時にフォローするかもしれないが(数話まとめ見とか)、このブログからは早晩落ちることになると思われる。

 

月が導く異世界道中 第一夜「勇者…失格」

 これもまた転生もの(性格に言うと召喚ものか)。異世界にいきなり勇者として召喚されてチート能力を得たものの、その世界の「すべてを顔で判断する」というひどい女神に「不細工」という理由で不要扱いされて放り出されたという主人公の物語。

     

 女神に不要扱いされたというのがまあ新しい設定なのかもしれないが、結局は能力はチートであるのでお約束のパターンを踏むことになる。いきなり登場したヒロインが豚(正確にはオーク)ってとこぐらいは少しはバリエーションをつけようとしているのかもしれないが、設定的には結局は量産型の十把一絡げ作品の一環に属してしまうことになる。作品冒頭で「転生したら慈悲深い女神様に勇者の能力を与えられて、英雄として活躍してなんてことになると思っていたが、自分はそうならなかった」という類いの事を主人公に語らせていたが、これは作者の、今までの転生もののパターンからは外しているという独自性アピールにもろに感じられたが、見ているこっちとしては「その程度のバリエーションで、要は大括りではパターン通りだろ」とツッコミを入れたくなるところ。

 さて作品自体であるが、第1話としてはテンポ良く最後に強力な仲間が出来るところまでトントンと進む。恐らく次回で2人目の仲間が加わって、この3人が基本となって話が動き出すんであろう。いかにもご都合主義で取って付けたようにポンポンと飛び出す設定はこのジャンルの作品には付きもので、特別にこの作品だけがひどいというわけではない。キャラについてはそれなりに描けそうな雰囲気であるので、少なくとも十把一絡げの平均点はクリア出来そうだが、問題はそこから飛び抜ける魅力があるかどうか。

 とりあえずしばしはフォローする予定。第1話を見た感じでは何だかんだと言いながら最後まで付き合う可能性もかなりある。

 

ぶらどらぶ 第1話

 非常にアクの強い個性的な作品。献血マニアという危ない女子高生が、唐突に美少女ヴァンパイアと遭遇して同居生活を始めるという強引なストーリー。そこに怪しげな校医まで絡んで摩訶不思議で不条理でハイテンションな世界が繰り広げられるようである。

     

 いわゆる不条理系ギャグなので、スベってしまったら目も当てられないが、今回を見ているといささかうるさすぎるきらいはあるが、視聴者を放っておいて勝手に突っ走っているということもなく、そこのところは結構計算して作られている印象。

 作品の雰囲気的に幾原邦彦かと思ったら、押井守の模様。正直なところそれが最大の不安要因(とにかく視聴者無視して自分の世界に入りやすい人物だけに)。今後どういう展開をしていくかにはしばし注目。今期のNo1になる可能性から、3週で切ることになる可能性まで先が読めない。

 ところで作品後に献血センターの宣伝が入ったのだが、元々そういう主旨で作った作品なのであろうか? そういうことなら、このあまりに突飛すぎる設定も納得は出来るのではあるが。

 

 木曜日は3作。「ぶらどらぶ」はかなり個性的であるが、後の2作はどこかで見たことがあるようなというタイプで、典型的な「最近こういう作品が多いよな」というパターン。いくら転生ものにある程度の需要があると言っても、さすが毎シーズンこれだけ相次ぐともうパターンも出尽くしている感があり、私もかなり食傷気味。いい加減違うパターンの作品を見たいと思うところである。

 

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