白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

Vivy-Fluorite Eye's Song- 第1,2話

ボカロアイドルものかと思っていたらバイオハザードだった(笑)

 作品説明を読んだ時にはよくあるアイドルものかと思ってパスする予定だったんですが、さらに調べているとそういう単純な話ではないようなのでチェックしてみたら、全く異なる傾向の話でした。どちらかと言えばバイオハザード並のアクションもの。

     
一応原作(?)ノベルらしきものはあるようです

 いきなり大殺戮シーンから始まりますが、これがかなり乾いた描き方になっているのがこの作品を通しての空気のようです。つまりはこの大殺戮は詳細は不明ですがAIの暴走が原因となっていて、そうならないために100年先の未来から送られてきたプログラムが、そのパートナーとして選んだのが100年前の歌手AIであるヴィヴィだったと。マツモトと名乗っていましたが、多分あの100年後の世界から碇ゲンドウ(にしか私には見えなかった)が人類補完計画を阻止するために送り込んだ(というように私には見える)プログラムということのようで。

 

すごく乾いた空気が流れているのが独特ではある

 で、今回はそのマツモトがヴィヴィとパーティーを組んでAI命名法が制定される元となった相川議員の暗殺を阻止するために大活躍、その過程で二人が信頼関係を結んで本当の意味でのパートナーになる・・・って単純な話でもなかったってのが、最後の付け足しで出てるんですよね。この乾いた空気ってのが典型的なこの作品の特徴だし、まあ今風のところだな。

 助けられた相川議員にしても、決して理想に燃えて法案を提出した政治家ってわけでなく、単に票読みをしてAI関係者の票を固められると踏んで法案に賛成した俗物でしたし、マツモトもモモカを助けるために事故を防ごうとしたヴィヴィを実力で阻止するぐらい使命のためなら冷血なAIだしということで、非常に乾いた空気が漂っている。

 さらには分からないのは、ヴィヴィ自体は単なるボカロなので、物理的には運動能力がそんなに高いはずはないのですが、ビルでの戦いで示した戦闘能力はやけに高いし、しかも瓦礫の下敷きになった時には、かなりダメージを受けていたはずにもかかわらず、怒りのような感情を元に明らかに「ファイト一発!」でパワーアップしましたよね。あれはマツモトが戦闘プログラムを送り込んだ云々でどうこうなる次元の話でないんで、ヴィヴィの能力自体にもかなり謎がある。ありがちなパターンはマツモトを送り込んだ松本博士がヴィヴィの開発に関与していて、そこで何か特殊なギミックを組み込んでいたという展開だが、あれが100年後の話ということでその線もない(関与したとしても彼でなくて彼の爺さんの世代になってしまう)。まあ100年後というのが本当という証拠もないですが。そもそも100年経っている割にはあまりに世の中が進歩していない気もするから。

 

新しくて古く、古くて新しい

 ところでAIに人権を与えるという法は、手塚の鉄腕アトムなんかではポジティブなニュアンスで登場しているんですよね。その法をこの作品では将来のAI大暴走につながったネガティブなものとして捉えている。この辺りが今までの伝統的な作品と違う。まあ手塚は技術性善説に立っていたのに対し、最近の流行は技術性悪説ですから。なおマツモトは将来のAIの暴走を防ぐためにAIを滅ぼす側に立っており、それは今回は敵対しましたが、あの反AIのテロリスト連中と立場は同じなんですよね。またマツモトとヴィヴィというAIがAIを滅ぼすための工作をするという矛盾を基本的に孕んでいる。

 まあAIが人類と敵対するってパターン自体は、今風と言うよりはむしろ滅茶苦茶古いんですけどね。ロボットもののオリジンと言えるメトロポリスはまさにロボットが人類を駆逐しようとする話でしたし、ロボットが人類に叛逆するってのは昔からのテーマ。アシモフなんかはそれにウンザリして、絶対に人類に取って代わったりしないロボットとしてロボット三原則を設定したりなんて話もある。もっともAIに職を奪われる可能性が浮上して、人類がAIと敵対しつつあるってのは、今日的な問題なんですが。

 

まだまだ裏があるような気がする

 なおAIが暴走した原因が何であるかが今のところ全くハッキリしておらず、AI命名法がどういう風にしてあの破局的な未来に結びつくのかということもハッキリしていない。というわけでまだ二転三転のありそうな話。そもそもAIの暴走とされていること自体が、AIの管理中枢にいる誰かが仕組んだ陰謀って可能性もかなりあるので。それとその大暴走がどういう結末に結びついたかまではマツモトは知らないようだし。AI自体が暴走したとか、人間を敵として認識したとかよりも、誰かがシステムの根本にウイルス的なものを仕込んだってことの方がありそうですけどね。もしそうならAIを滅ぼすってのは筋違いと言うことになる。