私の本業の方が洒落にならない状態になってきて、時間と精神力がとことん削がれる状況になってきたことから、毎度毎度の感想を書いている余裕がなくなって、このブログも1年以上放ったらかしになっていた。しかし実際にはその間も一応何作かのアニメはフォローしている。と言うわけで、まとめて最終評価だけをアップすることにする。
2024年の冬アニメについての作品評価の点数を発表します。なお2クール連続作品の場合は、最終回が含まれるシーズンに最終評価することにしています。また何話かチェックしたが途中脱落した作品などもあります。
評価についてはまず総合評価はA~Dの4段階でAが最上でDが最低となります。各項目は「キャラの魅力」というのはいわゆるキャラ萌えとかいうのではなく、キャラがリアリティや魅力を持ってキチンと描かれているかということ。「ストーリー性」はそのものズバリの盛り上がる興味を持てるストーリー展開となっているか。「納得性」というのは話の設定に無理があったり、ストーリー展開が無茶だったり、演出がひどかったり、そもそも作品が完結しなかったりなど、納得しにくい難点を抱えていないかというものになり、各項目3段階で評価しています。
勇気爆発バーンブレイバーン
総合評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆☆☆
最初はリアルロボットものかと思わせて、実は大きいお友達向けの勇者シリーズだった。全編大張、とことん大張、あくまで大張としか言いようがない作品。セルフパロも含めて今までのロボットものに対するリスペクトとオマージュに満ちており、私の世代にはこれは抵抗しがたいものがある。今時要素としてはBL展開が絡めてあったが、あくまでギャグとして収まる範囲で、気持ちが悪くなるところまでは行かなかったのが正解。
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので・・・2nd
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆ 納得性☆
以前にあったシリーズの第2シーズン。魔王放ったらかしで勇者をリタイヤさせてしまったらどうなるのか?と疑問を感じていたのだが、そこに新勇者登場(ただし性格にかなり難あり)という展開を持ってきた。しかし基本的にスローライフが主眼なので、ストーリー展開には無理があって盛上がらないこと甚だしい。やはり基本は主人公が彼女とイチャイチャするだけの話。
HIGH CARD
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
お洒落なアクションもの・・・と思っていたのだが、どうもお洒落で通せなくなってしまった感が強い。第2期は特にバディものの路線を強めたようだが、結局は話がまとまりきらずに広げた大風呂敷がグチャグチャになった感が強い。悪い作品とは感じなかっただけにやや残念。
望まぬ不死の冒険者
総合評価 C
キャラの魅力☆ ストーリー性☆ 納得性☆☆
主人公がアンデッドという設定が最大の特徴であるのだが、それを除けば特別な要素は皆無。さらに主人公が進化して見た目は人とさして変わらないバンパイアになってしまうと、最初の設定も無意味化。そうなってしまうと凡百の異世界ファンタジーの中に埋没せざるを得ない。
SYNDUALITY Noir
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
終盤になってかなりもつれてきた前シリーズを、何とかまとめきって、さらに主人公及びヒロインらの成長的なものも描ききった。細かい点ではいろいろと難がないわけではないが、トータルではまずまずの合格点。
姫様“拷問”の時間です
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
荒唐無稽な設定の話だが、ぶっ飛んでいるキャラ達のおかげでなかなかに楽しい。ただあまりに美味そうなラーメンはいささか凶悪。毅然としているように見せていて実はグダグダだった姫に、家庭大事の魔王、ツッコミキャラの剣などアホキャラの突き抜けぶりが見ていて笑いを誘う。いわゆるギャグ作品としては成功している。
悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
いわゆる悪役令嬢ものだが、そんな設定をぶっ飛ばしていきなり無双しまくりのヒロインが爽快。また自身の常識外れの実力に対し、それを冷めた目で見ているヒロインのキャラ設定が面白い。ありきたりと言えばありきたりだが、ありきたりを突き抜けて作品としてはヒロインの魅力でまとまった。
ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
典型的な悪役令嬢ものだが、実のところは悪いのはヒロインではなくて馬鹿王子の方というパターン。ストーリーの展開のためにヒロインが無双レベルのスキル持ちになってしまっているので、それなりの爽快感はある。話自体はその彼女が魅力的な王子(本来は彼女の命を奪う存在)と出会って惹かれていくという少女漫画パターンだが、意外と面白くはある。もっとも完全に話の中途で放り出してしまっているのが一番の問題。
休日のわるものさん
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆ 納得性☆☆
最近の流行パターンの一つである戦隊ヒーローの悪の組織ものだが、その悪の組織にやけにほのぼのとした話を持ってきたのが特徴。パンダでいやされるほのぼの系の悪の幹部が、何かやけに魅力的に見える。また今時珍しいぐらいのホワイト職場である悪組織も今日的。全体的に腑抜けた空気が漂っているが、それが私には嫌いでない。
最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆ 納得性☆☆
いわゆる追放ものの一環。最強タンクという設定もありがちだし、全ての点でありがち設定ばかりの話。主人公のシスコンを強調しているのがキャラ設定の特徴だが、だからと言って何があるでもない・・・。あまりに特徴がなさ過ぎて半年も経ったら忘れる作品(実際に私はこの原稿を書いていて「確か最後まで見たはずだが、どんな作品だったけ?」となった。)。
治癒魔法の間違った使い方
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
まきこまれ転生に理不尽環境を加えたものだが、異常にしぶとい主人公とぶっ飛んではいるが実は筋が通っている団長のキャラを中心に、ドタバタ作品として盛り上げた。滅茶苦茶な話であるが、それを滅茶苦茶なままにうまくまとめきった。
葬送のフリーレン
総合評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆☆☆
淡々と描いている独得の作品だが、後半はややドラマ性も増してきた。人間ドラマとしてヒロインを始めとするキャラクターがよく描けており、群像ドラマとして成功している。
薬屋のひとりごと
総合評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆☆
謎解き作品のように言っていたが、結局はその要素はドンドンと薄まり、ヒロインを中心とするラブコメ的な要素が強くなってきた。ただそこで描かれる人間ドラマがなかなかに魅力的であり、惹きつけるものがある。
中途脱落作品
異修羅 第1話で脱落
血しぶき飛び交うエグい描写が私の嫌うところで、とことん趣味が合わないことが明確なので脱落。やはりいきなりヒロインの手足引き抜く作品はキツいわ。
ティアムーン帝国物語 第2話で脱落
いわゆる「悪役令嬢が破滅フラグを回避するために全力を尽くす」という毎度のパターン。あまりに定型的すぎて興味が湧かずに脱落。
佐々木とピーちゃん 第4話で脱落
現世とファンタジー世界を行き来する主人公のせいで、ストーリーが発散してしまって焦点ボケ。さらには世界観なんかも滅茶苦茶になっている。ジャンル全体がマンネリの中、欲張ってあらゆる要素を取り入れたら何とかなるのではという考えで作って大失敗という例。
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが 第2話で脱落
典型的な「無双すぎる主人公なんてストーリーの妨げにしかならない」という実例。盛上がらない、面白くないに主人公に微塵も共感出来ないときたら見てられない。
結婚指輪物語 第3話で脱落
エロ系ファンタジーのようだが、意外とストーリーがしっかりしていたので途中まで見ていたが、そのストーリーが方向不明になってきたら半端なエロしか残らなかった。
作品数が多いのは相変わらずだが、完全に同ジャンルで被ってしまう作品が少なくないのがいかにも昨今の状況を示している。つまりは深刻なネタ切れである。
総評
今期はブレイバーンに尽きる。爆笑しながら心が熱くなるという貴重な体験をさせられた。最終回などは近年稀に見る熱い話で、そのま暑苦しさに何回見てもこちらも熱くなってしまう。ロボットものと共に成長してきた世代をピンポイントでターゲットにしており、これはほぼ反則作品。私の世代はドップリはまるか、強烈な拒絶反応を示すかの二択しかないだろう。
ブレイバーンが強烈すぎて影に隠れた感があるが、「フリーレン」及び「薬屋のひとりごと」はここ最近には珍しいレベルの高い作品。共に今期のNo1でも問題ない作品だが、これだけの秀作が並ぶとはかなり希有な状況。
それ以外の作品については完全にこの世界のネタ切れを反映して、ジャンルモロ被り作品が少なくないのが現状。「悪役令嬢もの」「ファンタジーもの(転生ものを含む)」ばかりになってしまっていて、既に作品の個体識別が難しい状態になりつつある。まあそれでも「見れなくもない」作品もまずまずあったんだが。
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