クロを奪還したラムネ
前話でインチキ教団に囚われの身となり、危ない洗脳で殺されかけていたクロ君ですが、密かに駆けつけたラムネによって救出される。この期に及んでもクロは自らは逃亡しようとしてませんでしたが、実際に洗脳に嵌められた信者ってのはそんなものです。特に断食で脳の活動を低下させて、情報遮断で思考力を奪ってますから、そうした上でインチキな教義だけを徹底して吹き込むというのが洗脳の基本。今回登場したのはオウムもやっていた手法ですね。
それをラムネが強引に説得してクロを連れ出す。これで救済できたのは基本的にクロが本来は頭の良い奴だからです。自分自身のことに疑問を持てる頭の良い奴ほど洗脳からの復活もしやすいです。正直なところ、バカほど強固に信念として叩き込まれてしまい、それを修正できないから典型的な狂戦士となる。実際に教団から救出されても自らの意志で教団に戻ってしまうような奴もいる。頭の良さってのは心の免疫力の一つでもあります。だからカルト教団やカルト政権は頭の良いものを粛正しようとするんですが。
結局は家族との問題
救済されたクロはラムネの元でようやく自分の本質的な問題に向き合う。基本的に彼の家族ってのは彼のことを可愛がっているのですが、その割にはなぜか高圧的で彼の話を聞こうとしない(基本的に脳筋家族なんでしょう)。そこが彼としては強烈なストレスになっていたので、彼がその本音を家族に打ち明けるところから全てが始まる。
のだけど、確かにあのシチュエーションだったら、クロがラムネにダマされているとか洗脳されたって判断するわな、普通は(笑)。ラムネは強引に怪をあの眼鏡で見せることで説得したが、あれだけだと普通は「何のトリックだ?」で終わっちまうところだが。まあ単純にラムネの話に納得できたのも「脳筋」なんでしょう。
それにしてもクロを奪回に来た教団の連中も、拉致とはまた頭の悪い方法を使用したな。多分モデルはオウムなんだろう。ここで今までしっかりしているがゆえに何でも自分で解決しないといけないと考えていたクロが「人に頼る」ということを覚えて目出度し目出度しです。インチキ教団もクロ一家に鉄拳制裁を食らって目出度し目出度し。これをきっかけにあのインチキ教団に司法の手が入ればさらに目出度し目出度しですが。
で、多分次回で終わりなんでしょうね。サブタイトルがメインタイトルと同じってのは、最終回の一つのパターンですので。
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