白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

無職転生~異世界行ったら本気出す~ 第9話「邂逅」

また唐突に出てくる中の人

 今回はいきなり中の人があからさまに出てきました。どうもこの作品ってやけに中の人を強調しますね。まあ多分、引きこもりで前世に失敗して悔いを残した人が、転生して真剣に頑張る姿を描きたいってのが趣旨としてあるのは理解できるんですけど。ただ前から言っているように、小説で登場するのと違って、映像として出てくるとインパクトが強くなりすぎるんですよね。その辺りの扱いが難しいな。

     
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 そしていきなりこういうところで神が出てくるってのが唐突すぎるんですよね。正直なところ、冒頭からいきなり興醒めしたな。主人公が人生やり直すのに本気で頑張っているのだとしたら、こういう怪しい存在出すのはどうなんでしょうか? なんか世界を丸ごとおちょくっているように見えるから。何かこの作品、様々な細かいところでの設定とかバランスがおかしいんだよな。

 

ルーデウスが世界の果てでスペルド族と遭遇

 魔法災害に巻き込まれて彼方に飛ばされたルーデウスは、「絶対に近づいてはいけない」と言われていたスペルド族のルイジェルドに助けられる。ルイジェルドはスペルド族の名誉回復のために旅をしているようだが、スペルド族に出会った時のエリスのガクブルな反応にスペルド族の評判の全てが現れている。ルイジェルドによると魔神ラプラスから与えられた槍の呪いで種族全員がバーサーカー化して互いに殺し合いをしてしまったという。スペルド族の生き残りはルイジェルドだけかもというレベルで敵味方関係なしの殺戮をしたようだから、そりゃ大陸中に悪名が轟くことにもなるわな。ルイジェルドは息子が命がけで槍を折ったことで正気に戻ったようだが、ルイジェルドが子供にこだわるのは、自分の息子を殺めてしまったことへの後悔からか。

     
原作小説はこちらですが、相当長編ですね

 なんか最初に神が出て来て、ルーデウスに彼に頼れということをアドバイスしたのだが、やっぱりストーリー的に見るとこれってなくても全く関係ないわな。ルーデウス自身はスペルド族が怖いという話を聞かされていても、実際にはスペルド族がどんなものかは知らないし、ルイジェルドは助けてくれたのが明らかなんだから、ここで敵意を見せるべき理由もない。というわけで、神のアドバイスがなくても必然的にルーデウスはルイジェルドに頼ることになったはず。

 つまりはあそこで神が出てくる必然性がないわけで、さらに言えばあえて中の人を描く必然性もないわけ。私の考えは以前からも言っているように、中の人のことはあまりあからさまに出さない方が正解という考えだから。どうもその辺りがしっくりこない。

 

ニュースサイトで見た情報ですが・・・

 ところでこの作品、中国での配信で有害作品だとやり玉に上げられて配信中止になったとか。まあ中国でよくある日本批判に巻き込まれた感がかなり強いが、やり玉に上げられた理由が「有害なエロ」とのことらしい。と言われても、この作品ってそんなに露骨にエロいって感じがないので疑問なんだが(エロい作品ってのは私が第1話の途中で視聴を打ち切った「回復術士のやり直し」みたいなものを言うべきだろ)。ただこの作品の場合、「子供のくせにエロい」ってのが問題視されたらしい。中の人が中年のオッサンだからなんだが、実際に主人公はガキなわけだから問題視されたっぽい。まあ言いがかりという気がする。作中で「この世界は中国共産党のような素晴らしい政治機構が存在しないので統治が上手く行っていない」とか「ここの領主は習近平のような理想的な統治者には及ばないようだな」とかの台詞でも言わせていたら逆に国家推薦になったかも。

 

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