大体お約束通りだったんだが、すこし違うんだよな・・・
まあ概ね予想通りの展開ではあるのですが・・・やっぱりこの作品はストーリーが甘いというか、甘甘の大甘だな。何と言うか、元の話がお子様向けなんですかね?
調べたところ原作掲載のコミックは月刊少年シリウスとのことですが、この雑誌が読者層をどのレベルに想定しているコミックなのかを私は知らないのですが、今回の展開は完全にお子様向け作品の展開だなと感じた。
あの父親が息子の創作を止めさせようとした動機が「もし有名になってしまったら離れていってしまうだろうから寂しい」って、そりゃないだろうってのが本音。それじゃあギャグというか、あまりにあり得ないというか、馬鹿らしいというか。普通はやはりクリエイターの類いに内心軽蔑心を持っている父親が、あくまで「息子のため」と言いながら将来を縛ろうとしている毒親化しているという表現にし、いかにそのことが息子を傷つけていたかを父親に理解させる話って展開に持っていくのが筋だと思うのだが。
ドラマ的な甘さが何となく毎回の物足りなさにつながる
まあそこまで複雑な話にする気がなかったと言えるのかもしれないが、あまりに甘々でお子様なんだよな。その割には前回には兄が変質者の犠牲になったっていう妙にハードな展開を持ってきたりするし。ただしその挙げ句にその話は完全に放ったらかしにしてしまったが。
どうも根本的に人物が破綻していたりというようなことはないのだが、常に今一歩斬り込みが浅いというか、展開がご都合主義というか、毎回毎回ストーリーに細かい不満が出るんだな。その辺りが私がお子様向け、端的に言えば「幼稚」と感じる所以なんだが。
今回は患者だけでなく、クロの成長も含めたダブル成長ストーリーとして一応描くべき最低限はクリアしてるんですけどね。ただ父親については単に親バカと言うことであっさりと片付けてしまった。出来れば父親の成長(というか気づき)のストーリーも加えられていたらもう少し深みのある話になったのだが。
常にストーリーが落第点ではないが、60点ぐらいなんですよね。だから見てられないようなひどい作品ってわけではないが、今ひとつ面白いと感じるほどでもないという。いろいろな点で残念だな。人間の心の問題から発する怪病という、人間ドラマを描くには格好の面白い設定を用意しているのに、それを完全に活かし切れていないところが勿体ない。人間ドラマにあまり斬り込まないのなら、いっそのこと病気を引き起こす化け物と主人公が戦って封じるというタイプの作品の方が、まあありきたりで安直で平凡ではあるが、アニメとしてはむしろメリハリは付いた気がする。人間ドラマで持ってくるなら、泣けたりほっこりしたりするレベルのドラマを描けなかったらしんどいです。
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