白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

神様になった日 第11話「遊戯の日」

全く今までとは別作品の「難病もの」になってしまった

 完全に初期の頃とは調子の違った別作品になってしまいました。完全に難病ものです。

 ひなは意識のあるようなないような状態。かなり重度の自閉症というような印象の状態です。陽太が必死なのですが、彼に対する記憶はないんでしょうね。陽太はそこでひなが大好きだったゲームのことを思い出す。ゲームは確かにひなに対して刺激はあったようだが、明らかに陽太が焦りすぎ(本人も自覚しているようだが)。

     
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 ところであの女性看護師は彼女自身の体験から強烈な思い入れがあるようですね。ああいうタイプの場合、確かに自身の経験から独自のモチベーションの高さはあるのですが、やや独善的で排他的になりがちです。陽太に対してもろにそういう態度を示していましたが。なんかそういうところはこの作品は人物設定にリアリティがある。

 その彼女が、陽太が知っているひなはひな自身なのかそれとも量子コンピューターなのかというようなことを問いかけていましたが、これは普通に考えても量子コンピューターではないでしょ。ひなのじっちゃんが研究していたのはAIではないので、量子コンピューターは所詮は脳の機能を補完するものであって、その過程で膨大なネット検索が自由に出来たりなどの副産物はあったが、何もそこに人格を与えようとはしていない。

 

こうなってしまったら話の落としどころが見えなくなった

 ところで彼女はここは恵まれているという類いの事を言ってましたが、これは事実です。あのタイプの障害持ちでこれだけ完全介護される例はほとんどないです。大抵は施設に押し込んでほぼ放置されているに等しい状態に置かれるのが常です。とにかく圧倒的に予算がかけられてませんし、そのために人手も圧倒的に不足してますので、あんなにかかりっきりの介護なんてしてもらえません。

     
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 陽太が最終的にどういう解決を考えているのかがまだよく分かりませんね。ひなが自分に対して心を開いたら家に連れて帰るということを考えているようですが、そうしたとしてこれからひなが亡くなるまで陽太が一生介護するつもりなんでしょうか? 現実問題としてそれは無理です。ひなの父親が逃げ出しましたが、実際に陽太がこれから先の人生を完全に捨てるつもりでないと無理です。そこまで先のことを考えているのかどうかがどうもハッキリしない。

 急にかなり重いテーマを抱える作品になってしまったので、こうなったとしたら安易に安直な結論は付けてもらいたくないという気持ちが大きくなってきましたね。

 

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