2023年の夏アニメについての作品評価の点数を発表します。なお2クール連続作品の場合は、最終回が含まれるシーズンに最終評価することにしており、今期は暫定中間評価を上げています。ちなみに昨期は各作品のフォローが途中で中断されてしまったなんてことがあったが、今期は毎週フォローが出来なくなってしまったこともあったが、まあ概ね完走である。ただその代わり、微妙な作品に関しては視聴は継続してもブログの方では切ったというのが多い。
評価についてはまず総合評価はA~Dの4段階でAが最上でDが最低となります。各項目は「キャラの魅力」というのはいわゆるキャラ萌えとかいうのではなく、キャラがリアリティや魅力を持ってキチンと描かれているかということ。「ストーリー性」はそのものズバリの盛り上がる興味を持てるストーリー展開となっているか。「納得性」というのは話の設定に無理があったり、ストーリー展開が無茶だったり、演出がひどかったり、そもそも作品が完結しなかったりなど、納得しにくい難点を抱えていないかというものになり、各項目3段階で評価しています。
なおブログの方では途中脱落で扱いをやめたが、実はその後も作品自体は不定期にチェックしていた(空いた時に暇つぶし的にまとめ見などをしていた)という形で最後まで目を通している作品とか、実は最初から見てはいたんだがブログで扱う気がしなかった(コメントとして書くようなことがない)とか、さらには「途中で脱落必死」と考えて最初から扱わなかったのに、結果として最後までダラダラ見てしまったなんて作品も加えている。
無職転生2
総合評価 B
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
長期シリーズの安定性はある。ただ今回はルーデウスのED治療がストーリーのメインと言うことで、今後の大きな展開の準備のニュアンスが強かったので、話自体がほとんど動いておらず、今期だけを見ると退屈感は否めない。
Lv1魔王とワンルーム勇者
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
グダグダのオッサンになっている元勇者と、復活し立てでまだまだ実力が戻っていない元魔王のドタバタラブコメというニュアンスの作品が、くだらなくも面白かった。いささか暴走気味の力強さも良い。
おかしな転生
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
ブログは途中で落ちたが、一応作品のチェックは続けた。頭を空っぽにしてみられるのが一番のメリット。ただあまりにご都合主義展開が多い。そもそも主人公のパティシエ設定が作品中で生きていると言い難く、パテシエとは全く無関係な政治力がやたらに高い主人公に違和感全開。
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う
総合評価 D
キャラの魅力☆ ストーリー性☆ 納得性☆
転生したらまさかの自販機という出オチがすべての作品。案の定、その不自由すぎる設定がストーリー立ての制約となり、ご都合主義満載の説得力の薄い作品となってしまった。
悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。
総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
そもそもヒロインの悪役ヒロイン設定が全く意味をなしていないが、いわゆる典型的な悪役令嬢もの系で、その領域をはみ出していない。キャラの設定など自体には大きな矛盾はなかったが。
スプリガン
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆
まさに一時代前の古典的アクションもの。Oパーツ設定などには無理がかなりあるが、とりあえずトレジャーハントのアクションものと考えれば問題なく、アクションも小気味よく主人公の設定にも無理がない。いろいろな意味で作品がよくまとまっていた。
ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~
総合評価 D
キャラの魅力☆ ストーリー性☆ 納得性☆
あまりに動きのない展開にブログの方は落ちたが、その後も作品チェックは続けたものの、やっぱり最後まで大きな動きは全くない作品だった。結局残ったのは執拗なライザの太もも描写だけだが、終盤にはライフラインである作画まで怪しくなった。
AYAKA -あやか-
総合評価 B
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
最近増加している魔物ものの一環と言えるが、単純に敵と捉えるのでなく、自然の一環という捉え方。作品を通して疎外感を持っていた主人公が仲間や先輩と交流して成長していく過程が描かれており、人間ドラマとしては及第点。
英雄教室
総合評価 D
キャラの魅力☆ ストーリー性☆ 納得性☆
どこかで見たこと感がありすぎる学園もの。元勇者の回りに美少女がワラワラで与太話という典型的パターンで、23年冬アニメの「冰剣の魔術師が世界を統べる」と見事なまでに同じタイプ。そして作品の中身のなさも同レベル。
SYNDUALITY Noir
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆
災厄後の地球で生きていく人類の活躍を描くというSF的作品。主人公のキャラの成長も一応描けているし、回りのキャラとの関係性などもよく出来ている。いきなり続きは第2期でってオチだけがドッチラケ。
魔王学院の不適合者II
総合評価 B
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆
主人公が物語のルールを超えるレベルの無双という滅茶苦茶な設定なのだが、不思議にそれが痛快さにつながっている作品。今期も昨期と同様にひたすら痛快路線で、それが稚拙に感じられつつも心地よかったりするのが事実。
デキる猫は今日も憂鬱
総合評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆☆
典型的な少女漫画的あり得ない設定の物語なんだが、巨大な出来すぎる猫・諭吉のキャラが非常に立っており、ダメダメすぎるヒロインとの掛け合いが面白い。また彼らを取り巻く同僚OL、さらには出来るイケメン部長などのキャラも立っていて、一風変わった日常ドラマとしてなかなか楽しませてくれる。
次期継続作品中間評価
Helck
中間評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆☆
今期のチェック作品の中では実は一番なのはこれではという印象。主人公ヘルクのすっとぼけているが、裏にかなりどす黒い事情を抱えていそうな雰囲気。そのヘルクを警戒しつつも心情的に惹かれているアンの描写などが良い。
七つの魔剣が支配する
中間評価 C
キャラの魅力☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆
まだドラマの方向性が今ひとつ見えてこないし、主人公オリバーのキャラが掴みにくい上に、メインヒロインのナナオがそもそも人格破綻している部分があるのでこれも掴みにくいなど、キャラがよく分からないというのがツラく、全体的に盛り上がりを欠く一因でもある。
中途脱落作品
AIの遺電子 第5話で脱落
ヒューマノイドという存在を通して人間を描く作品かと思っていたのだが、ドラマが浅すぎて空滑り。結局はわざわざヒューマノイドという存在を設定した意味が全くなくなってしまっていた。
ライアー・ライアー 第1話で脱落
主人公の行動原理も物語の目的地も全く見えず、とにかく面白味を感じなかった。
レベル1だけどユニークスキルで最強です 第2話で脱落
あまりにご都合主義的な設定、どこかで散々見たようなヒロインワラワラ設定など、何を今時こんな作品をという印象でいきなり切った。
ダークギャザリング 第1話で脱落
ドタバタ怪奇ものという印象だが、いろいろな点で私の好みに合致しないので切った。
アンデッドガール・マーダーファルス 第1話で脱落
オカルチックで残酷系という雰囲気で、私の好みに合致しないのが明確なので切った。
聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~ 第1話で脱落
どこからどこまでも見たことのあるようなテンプレート通りの作品であり、いきなり退屈して切った。
作品数が多かったのと比例して脱落策も多い。あまりに定型的なろう系ファンタジーで特に魅力の薄かったものはいきなり切ったが、最後まで付き合ったものの時間の無駄だった作品も少なくないのが今季の特徴。またやはり次のトレンドは怪奇ものだろうか? という印象。
総評
今期は作品数は多数だが、ここ最近の傾向そのままに正直なところこれという作品がなかったというのが本音。無職転生、魔王学院という連続ものは安定感はあったが、今期は爆発的な面白さというのもなかったのは事実。新作で比較的健闘していたのは「Lv1魔王とワンルーム勇者」。ラブコメ的なくだらないドタバタが意外に楽しめた。また新作でありながら旧作とも言える「スプリガン」はストーリー自体に安定感がある。また「AYAKA -あやか-」は今風テーマを扱いながらも、作品自体はやや古びた感があり、奇を衒わない正攻法が成功につながっていた。まあある意味で今期一番期待した「SYNDUALITY Noir」は案の定と言うか「続きは次期に」というオチでいささか評価落ち。実のところは今期で決着がつかなかった「Helck」が本命である。
そんな中でまさかの評価Aは、ブログでは最初から全く扱ってなかった「デキる猫」。実は全く当初のチェックリストには入ってなかったのだが、ある時たまたまAmazon primeで第1話を見た途端にはまり、中途からチェックを始めたという次第。典型的な日常与太話系少女漫画なので、ことさらにコメントするようなこともないのでブログではあえて扱わなかったが、巨大で猫離れしていながらも動作がキチンと猫という主人公に思わず引き込まれてしまった。こういう系統の少女漫画は意外に堅実な作品になる。
で、今期も総括としてはやはり「もうとっくにオワコン久しいなろう系をいつまで引っ張るんだ」ということは言わずにはいられないだろう。早々に見切った作品もあるが、最後まで付き合って時間の無駄だった作品も多数ある。あまりに同系統の作品ばかりになって、ネタに詰まって何か変化をと突飛すぎる設定に走った結果として話が行き詰まったりなど、終末感が既に半端ない。近年はアニメ化する原作自体がレベルがかなり低下しており、最初の設定を見ただけでも「おいおい、こんな作品が本当に今更成功すると思ってるのか?」と言いたくなるような作品が実に多い。雑な原作を雑にアニメ化した作品は実に興醒めである。
2023年秋期アニメ作品評価
2023年春期アニメ作品評価