白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2023年夏アニメ 土曜日編

七つの魔剣が支配する 第1話「入学式(セレモニー)」

 うーん、典型的な量産型ファンタジーにしか見えんな。いわゆるファンタジー世界に学園もの要素を組み入れたという。ありがちな魔法アカデミーもので、普通にいったら主人公中心にヒロインワラワラのハーレムものってのがありがちで、実際にそうなり得る設定を持ってきている。ただ冒頭でこの魔法学校では卒業までに2割の生徒が魔に魅入られて死ぬという設定を引っ張ってきている辺り、単純に学園ものにしないなにやらダークの背景が動きそうな伏線は張っているが。

     
コミックは7巻まで出ている模様

 そもそも今回恐らく主要キャラが揃ったんだと思うが、何やら曰くありげなヒロインに、そもそも主人公自身が何らかを抱えている雰囲気がプンプン。他のキャラもそれなりに背景はありそう。またかなり極端な自然保護派らしき少女もいるようであるところから、彼女なんかが今後も騒乱の目になりそうな予感はする。あえて他の連中と一線を引いていた読書少年なんかは、出自がどうやら身分的に低いというのがあるようだから、その辺りの葛藤なんかも恐らくどこかで歪んだ形で出てきそうだし。

 まあその辺りのドロドロした話をどの程度持ってくるかだな。あまりそういうのばかり出てくると、重苦しくてしんどい話になるし、かと言ってほとんど出ずに普通に学園ドラマやってしまったら、完全に肩透かしの浅い話になるし。一昨期前の「冰剣の魔術師」なんかが見事にそのタイプの空振り作品だったからな。主人公自身の暗い背景をやたらに強調していた割には、最後までそれは表の話に絡まずに、結局は脳天スカピーの学園ラブコメになっちまってたから。あの腰砕け感といったら・・・。

 

 

スプリガン 第1話「炎蛇(前編)」

 ん? この作品何か覚えがあるぞ。随分昔に劇場作品になっていた記憶が・・・。ザクッと調べてみたら、確かに98年に映画になっているらしい。私はこの作品自体は見た記憶がないが、タイトルだけは覚えていた。どうやらそもそもの原作が結構古いコミックのようだ。

     
コミック自体は結構古典作品の雰囲気がある

 と言うわけで話自体は古いタイプのアクション作品ですね。まだサイバーパンクの出始めの頃ぐらいのようだから、身体を機械で強化するって発想はあるが、まだ脳をコンピューターと接続してというような世界まで来ていないという、今となってみたらいささかレトロ感のある世界設定になっています。

 

 

 まあ私のようなジジイだと、古い作品ならではの安心感みたいなものがありますね。変な方向に話が進んで破綻するという心配をさせないというか、いろいろと予定調和の中で収まっているような気がします。

     
Blu-rayの発売だけは既に決まっている辺りだけは今時だが

 この作品自体は先にネトフリで配信されたものを、各話を前後編に分けて今回放送ということか。と言うことは一応は2話完結エピソードを並べていくんだろうか。まあその方が小気味良い気はするが。

 

 

AIの遺電子 第1話「バックアップ」

 上のはいささかレトロな作品だったが、こっちはいかにも今時か。もろに頭脳をコンピューターと接続したり、人造生命体のヒューマノイドとかが登場する。もっとも調べたところによると元のコミックは2015年ぐらいだから、最新というわけではなくて若干古くはあるようだ。

     
これもコミックが出ているらしい

 この世界では普通にヒューマノイドが人類と共存しているようだが、その区分がほとんどなくなりかけている世界の模様。こうなると恐らくヒューマノイドと人間の違いは子供を作れるかどうかぐらいか。だからヒューマノイドが人間を養子にして暮らしていると。

 

 

 人格のコピーを作ることが違法とのことだが、主人公の母親は半分騙された形でそれに協力してしまって現在服役ということか。そして彼女が騙されたのは息子だった主人公を病気から救うためと。まあこの辺りが主人公の影の部分になっているわけだな。そして主人公は非合法医療も行うブラックジャック設定。まあこの辺りはありがちだな。

 まあ作品自体は、人間にとって感情とは人格とは何なんだって辺りがテーマなんだろうなという気がするが、果たしてどこまでそこに踏み込めるか。何となく今のところだと単なる浪花節ストーリーで終わりそうな気がするな。核心のところでの切り込みの浅さみたいなものを感じずにはいられないから。

 

 

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