パリピ孔明 第1話「孔明、渋谷に降り立つ」
五丈原で志し半ばでこの世を去った孔明、生まれ変わるなら争いのない平和な時代にという願いが届いたのかどうかは定かではないが、突然に現代の渋谷に転生してしまう。そしてそこで出会った歌姫こと月見英子の歌声に魅了された孔明は、彼女の軍師となって彼女をメジャーデビューさせるためにその知略を駆使することになるという作品。
三国志ネタに転生ものにさらにはアイドル誕生ものを引っ付けたというてんこ盛りの内容である。いくら天才孔明にしても現代への適応が早すぎるのではないかとか、そもそも孔明の知略が芸能界で通用するのかといった疑問点はなくもないが、その辺りは豪快にご都合主義で打破というところだろう。
一生懸命で夢を持っているけれど、それでも挫けそうになる英子のキャラや、非常にアクが強いがしっかりと英子のことを見守っているバイト先の店長など、なかなか脇キャラが魅力的であるが、孔明自身のキャラも真面目さがすっとぼけて見えるなど、三国志ファンの目から見ても「うん、これは孔明だよね」と違和感のないキャラとなっている。
ただのアイドル誕生物語なら興味ないが、そこに孔明を絡めることでどういうように話が展開するかは予想がつかない。とりあえずはしばし様子見。
勇者、辞めます 第1話「次の職場は魔王城」
いわゆる異世界ファンタジーものだが、これは転生するわけでなく、勇者が自分がガタガタにした魔王軍に転職してそれを建て直すという作品。さすがにこうも同じ作品が相次ぐと少しでも変化を付けるのに苦労していることが覗える。
主人公の勇者が転職を選んだ理由だが、あまりに強すぎるが故に、魔王を倒した後に今度は自分が新たなる魔王の可能性があると回りの人々に疎まれたことが原因。まあ本人も自覚しているように、性格にやや難のある人物(パーティーの仲間が足手まといだと、結局は見捨てて自分だけで魔王を倒したらしい)であることが、回りのそういう白眼視に拍車をかけたのだろうが、とにかく人間界に居場所がなくなったことから、魔王軍陣営に乗り換えたらしい。
またこの魔王軍がなぜか今ひとつ邪悪さを感じさせない連中なので、「そりゃ乗り換えもありか」という気もしないでもないが、とにかく想像以上にガタガタなようなので、恐らく最初の仕事は直接戦うことよりも、人材募集や組織再建などの事務的仕事になりそうな模様。もっともこの勇者、キチンとプレゼン資料まで用意して魔王軍の採用に臨んだようなので、どうやらそっち方面でも無能ではないようであり、当分はそのドタバタを描くのではと予想できる。
どういうオチに持っていくのかは分からないが、どうせこれも原作付きだろうから、結局は途中で終わりだろう。とりあえず楽しめるようならチェックを続けるが(今回の魔王軍幹部とのスットコドッコイなやりとりは結構面白い)、退屈するようなら脱落である。
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