白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2022年冬アニメ 水曜日編

 新年度の冬アニメですが例によって見切り作品も出るでしょうから、落ち着くまでは例年のごとく曜日ごとの紹介で行きます。今日はとりあえず4作と本来は日曜日編に入るべきが、なぜか録画に失敗していたので今日遅れてAT-Xで見た1作。

 

 

薔薇王の葬列 第1話「Wars of the Roses」

 薔薇戦争をモチーフにした作品の模様で、原案はシェークスピアとあり「ヘンリー六世」「リチャード三世」を元にしているらしいが、どうもそこに大胆にド耽美な要素を加えたように感じられる。リチャード三世はシェークスピアの劇の中でもトップクラスのダークヒーローのらしいが、それを繊細で父を崇拝する少年にしている。なおリチャード三世は不具だったとあるが(いわゆる背骨が歪んでいたらしい)、本作では彼は両性具有という設定のようだ。

プライムビデオがある模様

 独得の雰囲気がかなり強い怪しい作品である。正直なところかなり危ない方向(いわゆる典型的な腐女子向け作品になる可能性)への展開もありそうな感じもするが、基本的に歴史ドラマでもあるので奇妙に興味を惹かれてしまう。とりあえずはしばし様子見をして、空気的に私に合わないと判断すれば落ちることに。

 

 

天才王子の赤字国家再生術 第1話「そうだ、国を売ってトンズラしよう」

 タイトルを見た時に「ん?これは文系勇者が王国の内政を建て直す話の続きか?」と思ってしまったが、まさしくそのテイストが強い。どうも昨今のライトノベルはことごとく似たようなネタばかりをいじくり回しているようである。

早くもBlu-ray発売予定

 あの作品と違うのは、一応は真面目に国を建て直そうとしている勇者と違い、この王子はとにかく国の価値をある程度高めたらさっさと国を高く売りつけて自分は隠居しようと考えているとという不真面目男であること。で、あるにもかかわらず、基本的にかなり優秀であるから意図しない方向でドンドンと国が強くなっていくって話のようである。

 いかにも「どこかで見たことのあるような話の集大成」なので、独自の魅力が出てくるかどうかが難しいところ。とは言うものの、目下のところ取り立てて特別な難もないことから、これもしばらくは様子見。

 

 

錆色のアーマ-黎明- 第1話

 この作品、「錆色のアーマー」かと思っていたら、「錆色のアーマ」が正解らしい。何とも紛らわしいタイトルである。なおアーマーなら分かるが、どうもアーマはこの作品の造語っぽい。

プライムビデオは出ている模様

 で、内容は美形の雑賀孫市が同じく美形の織田信長と知り合って、美形の雑賀衆を率いて敵と戦うってところの模様。

 やけに薄っぺらい感じの作画が特徴的だが、そもそもこの作品自体が逆2.5次元と銘打っていて、舞台作品が先にあって後からアニメ化したという代物らしい・・・という話を聞いたところで、恐らく私にとってはアウトオブ眼中の作品にならざるを得ないことが予想できる。というわけでこれは脱落。

 

 

賢者の弟子を名乗る賢者 第1話「わし、かわいい」

 どうも第1話が説明不足で話が完全に把握できないのだが、どうやら大賢者だったキャラが突然に美少女キャラに変わってしまって・・・という話なんだろうと思う。

プライムビデオ配信中

 一番気になったのは、やたらにこの作品世界はヴァーチャルゲーム世界であることを強調する点。それって「どんなおかしなことになったところで所詮は現実には関係ないじゃん」で終わってしまって、視聴者を話から距離を置かせる効果しかないんだが、なぜあえてそういう形をとるのかが不明。今回見た限りではヴァーチャル世界とリアル世界を行き来して話を進めていくという雰囲気でなく、単純に異世界ものにしてしまっても問題ないというか、むしろそっちの方が話がスムーズに思われるのに、まさに「誰得?」という設定である。

 何にせよ、どこかで見たことのあるような要素をごった煮にした典型的な「なろう系」くさい話。とりあえずしばらくは様子見するが、正直期待薄。

 

 

失格紋の最強賢者 第1話「最強賢者、現る」

 最強を極めた賢者が、さらに強さを極めるために新しい紋章を求めて転生するが、転生した世界ではなぜか彼の紋章は失格紋と呼ばれている上に、魔法自体も彼の活躍した時代よりもはるかに弱体化してしまっていた・・・。という設定を聞いた途端、何かどこかで見たことがある設定だと思ったら、昔あった魔王学院に不適合な魔王様の話だった・・・。なんで最近の作品はどれもこれもどこかで見たことあるようなパターンばっかりなんだ。

原作コミックがあるようです

 とか言うものの、私的には例の魔王様の話は意外と評価が高く、主人公がその無双さにあかせて敵を殲滅していく作品というのはストレスがなくて見やすいというのがある。実際、本作もいきなり炸裂する主人公の無双ぶりは痛快である。あの作品と違う本作の独自性を上げるなら、主人公が女性免疫があまりないのか、どうやらヒロインに本気惚れしているらしいことぐらいか。まあその辺りは魔王様と賢者様の違いなんだろうか。

 そういうわけでこの作品もまず大化けは期待できずであるが、上でも言ったように作品的には私の好みに合致する可能性がある。そういうわけでこれはしばらく様子見。

 

 

 というわけで今日はかなり作品が多くなったが、この中で逆2.5次元以外はしばらく様子見である。とは言うものの、こうも「どこかで見たことがあるような」という作品ばかり並ぶと「なろう系はもうオワコン」感が半端ない。それどころか「なろう系」に限らず、もっと広くライトノベル分野自体にかなりオワコン感が漂っている。昨今の韓国、中国などのアニメ作品のレベル向上を目の当たりにしていると、こんな作品ばかり作っていたら、いずれは日本もこの分野でボロ負けすることになる未来というのが見えてくるようで暗澹たる気分なのが本音。このまま行けば、数年以内に日本のアニメも家電と同じ運命を辿りそう。もう既にゲームなんかも韓国のネトゲに負け始めているという話を耳にするし。