白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021秋アニメ 月曜日編

 日曜の夜に放送された秋アニメです。

 

 

MUTEKING THE Dancing HERO

 1980年に昔にタツノコで放送された「とんでも戦士ムテキング」の現代版リメイクの模様。ただ、街の雰囲気は近未来的であるにもかかわらず、カセットテープやラジカセが現役の模様という、良く分からない社会設定になっている。

 前作は「お洒落で」「ノリの良さ」を前面に出した作品だったんだが、その路線は引き継いでいる模様。ただ意図的だろうと思うが、初っ端から「ハートカクテル」のパロと思わせるような展開をしていて、どうも意図的に「昭和臭さ」も出しているところがある。だから今時のご時世とはズレたバブルの雰囲気が漂っている。

 また敵の大ボスと見られる奴も、スティーブ・ジョブスをモデルにしたと思われるIT巨人であり、この辺りは現代的なのだが、それが余計にカセットテープが現役の設定と相矛盾している。

 正直なところ意図的なギラギラした絵柄が安っぽくて目に刺さるが、一番の問題は根本となるべき音楽が、前作と比べてもかなりヘボいというところ。ノリが悪いDansing HEROであり、格好良く見せるべきところで格好良くならない。そのために非常に気の抜けた作品になってしまっている。

 というわけで、そもそも前作もそんなに好きというわけでなかった私としては、前作以上に見るべきところを感じない本作は、脱落することにする。

 

 

無職転生~異世界行ったら本気出す~ 第12話「魔眼を持つ女」

 本当に話の中途でぶつ切れになってしまっていた第1期のそのままの続きの登場である。

     
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 話が動き始めているという空気は多分にあり、主人公パーティがまとまりが増しているという辺りもよく描けている。特にあまりに異質すぎてなかなか深く理解し合いにくかったルイジェルドとルーデウスが互いに情を通い合わせ始めている描写はなかなかに上手い。

 ルーデウスがいきなり魔眼を獲得するという展開は、あまりに唐突でご都合主義な感もあるが、一応は許容範囲内ではある。これが今後の彼の無双能力の一環となるというのは、剣の腕では明らかに上であるエリスにこの能力で勝利したことで示している(もっともルイジェルドにはボコボコにされたようだが)。一応はこれも彼の「成長」の内に含めるのだろう。

 基本的なところがしっかりと作られており、人物の描写などにおいても無理がない。とにかく「手堅い」という雰囲気が感じられるのがこの作品。ただそれだけにあまりドラマチックな展開はしないので、ドラマがやや平板に見えるところが不利ではある。

 ただこれは前シリーズの時から私が個人的に感じていた違和感であるが、なぜ殊更に「中の人がオッサン」というのを正面に出したがるのかだけがシックリこない。恐らく「社会からはみ出していたニートが、新たに人生を真剣にやり直す」というテーマを明確に出したいという意図なんだろうが、小説とアニメでの違いというのが相変わらず克服されているようには感じられないので、そこのところが一番の違和感。まあ気にならない人には気にならないのかもしれないが。


 月曜日は以上2作。MUTEKINGは脱落だが、無職転生は多分最後まで付き合うだろう。