月曜日の夜に放送された秋アニメです。
月とライカと吸血姫 第1話「ノスフェラトゥ計画」
吸血姫が存在する架空の世界の物語となっているが、その宇宙開発の歴史はかなり忠実に米ソ宇宙開発競争の歴史を踏襲しており、舞台はソ連側となっている。ここまで忠実に歴史をなぞっているのなら、あえて架空世界にする必要性をあまり感じないのだが、まあそこは吸血姫が存在する世界だからと言うことなんだろう。もっとも吸血姫は存在してもファンタジー世界ではなくあくまで科学技術が支配する世界である。
この世界において有人宇宙飛行を行う前の実験動物として吸血姫が宇宙飛行士として起用されるという奇妙な物語。吸血姫なら人間ではないので人類初の宇宙飛行士でなく、あくまで実験動物でありながら、生体的には人類と近いので有人飛行の有効な事前検証になるという、いかにも「国家的な思惑」のためにこういうことになったという設定。まあ確かに常に建前や宣伝が表に立っていたあの国らしくはある。
主人公は補欠宇宙飛行士で、彼に与えられた任務が彼女を宇宙飛行士として訓練すること。あくまで動物として扱うようにと言われているが、彼女が人間と変わらないことを感じて、動物とは見られない葛藤なんかが滲んでおり、その辺りが今後のテーマになっていくとは推測される。
もっとも次回予告を見ていると、かなり普通に宇宙飛行士訓練をしているようであり、「宇宙兄弟吸血姫版?」という雰囲気もある。目下のところ本作がどこを目指して何を描きたいのかが不明なので、どうにも奇妙奇天烈な印象があるが、作品自体には破綻はないし、この突飛な設定の今後の展開も興味深くはある。
本日は上記一作のみ。来週さらに加わるかどうかは分からない。目下のところ本作は今後もフォローしていくことになりそう。