白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

NOBLESSE-ノブレス- 13「ノブレス/Take Her Hand」

すべては先代ロードの思いつきと横着さが原因

 要するに先代ロードは自殺だったということであっさりと決着してしまいました。人間がその短命ゆえに貪欲に進化していくのを見ていると、貴族がその長命ゆえに変化をせずに停滞しているのを感じたと。そして自ら「老害は去るべし」とばかりに一気に世代交代を図ることを考えたという次第か(長年ロードをやっているうちに面倒臭くなったという要素も強そうだが)。しかしベテラン陣が一気にいなくなったことに若いロードや家主は戸惑って大混乱。そうこうしているうちにライジェルが反乱を起こして先代ロード以下を葬ったと思い込むことで反ライジェルでようやく結束したと。

     
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 で、その時の経緯を知っているのがゲシュテルの爺さんで、若い連中があらぬ方向に突っ走っているのを見ながらも「まあこれで皆が結束できるならそれで良いか」と見て見ぬふりをしていたと・・・おいおい、結局は全ては関係者の説明不足から始まっているんじゃないか。そもそもは先代ロード自身が「貴族全体のことを考えると老兵は去るべし」と伝えていれば問題なかったのだが、ライジェル言うところの「親バカ」ロードは娘にそれを直接には伝えられず、自らのソウルウェポンに残留思念を残すなんて言うまどろっこしい遺書を残していた(恐らく親バカロードは娘に涙ながらに反対でもされれば、自身の決意を実践できないと考えたんだろう)。

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 またジジイも横着こいて説明していなかったし、ライジェルもあえて説明しなかった(まあ800年ほど寝てたんだから、その間に説明は出来なかったが、その後も放置していた)というだけの話。貴族は長命ゆえに停滞する云々以前に、全員が圧倒的に横着すぎ。まあ年寄りは気が長くなったりしますが、貴族様も「そんな細かいことはどうでも良い」って心境か?

 

結局はこの作品って異色のホームドラマで終始した

 さすがにこの事実には、突っ走っていたお嬢も唖然という感じでしたね。「父さん、それはないわ」ってのが本音だろうな。反逆者ライジェルを葬るべく奔走していた若い家主連中も同感だろうな。実際に私も「何やねん、それ!」って画面のこっちで思わず一人ツッコミ入れてしまいましたからね。やっぱりこの作品、本質的な部分でヘッポコホームドラマなんです(これは決して罵倒の意味ではなく、半分以上褒めてます)。

     
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 ライジェル爺さんはお嬢のためにわざわざ力の出し方の手ほどきまでして上げる親切さ。とにかく表面的には非常に冷淡に見えるのに、内面はそれに反して非常に世話焼きなのが彼の神髄。どうも貴族様達はのんびりしているというか、良くいえば非常に包容力があって鷹揚(反逆者だったフランケンもなんだかんだで取り込んでしまったし)、悪く言えば適当で横着なようですが、その貴族の性質をもろに持っているのがライジェルってことか。

 それを考えると、思い込みで突っ走ったお嬢ロードや、これもまた自身の思いで突っ走ったレジスやセーラとかいわゆる若い世代は確かにそれまでの貴族の気質と大分変わっているようだ。進化したかどうかは怪しいところがあるが、確かに先代ロードが期待したように変化はしている。

 昔、銀河鉄道999辺りで大上段に掲げられた「人は限りある命だからこそ、真剣に必死で生きようとするんだ」というテーマがこんなところで唐突に登場しました。もっともあれとは違ってかなり軽い扱いですが(笑)。

 で、先代ロードのいい加減さのせいで起こった騒動はあっさりと解決して目出度し目出度しなんだが、結局のところこの作品って「愉快なライジェルファミリー」を描いていただけで、それ以上は何も始まっていないし何も終わってませんね。チラチラと出ていたユニオンとかって完全に放ったらかしでどうでも良くなっている(笑)。まあ繰り出してきた怪人共がライジェル様にかかれば指先一つでダウンレベルでは、確かに全く脅威にも何にもならんが。この辺りが描かれるとしたら第二期という話になるが、この作品は第二期をするのかな?

 

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