この月~水には今ひとつ見てみようかという作品がなかったのですが、昨日の晩はとりあえず目を通した作品が3本です。
池袋ウエストゲートパーク 第1話「我他人を思う」
池袋を支配している不良集団・・・といいつつ、実は正義の味方というところの連中の話。まあ町の秩序を守る自警団ってとこですかね。
私は東京の土地勘は全くないんですが、冒頭でヤク中患者を追い込んだ場所が東京芸術劇場前の広場ってことぐらいは分かります。後に東京芸術劇場の三角の建物がありましたし、確かにあの前の広場には何かわけの分からんリングが上にありましたから。東京芸術劇場には何度か読響の定期演奏会を聴きに遠征したことがあります。東京のホールの中ではサントリーホールの次ぐらいに訪問回数が多いホールじゃないですかね。後は意外と多いのがすみだトリフォニーホール・・・って徒然草枕の方のネタになってしまった。
で、話の方ですが要は「ザ・ハングマン」? 今回見る限りでは、裏で悪事を働く連中を密かに制裁するというように見えます。いわゆる痛快系の作品だと思うんですが、その割には今回見る限りではあまり痛快でもないんですよね。いゆわるケンカアクションものかと思えばそうでもないし、クライムアクションというわけでもないし。
キャラ自身の描写は特に悪いってわけではなく、それぞれどんなキャラかはよく分かる描き方されてるんですが、その割には感情移入しにくい。何となくキャラクターが淡々とした無表情なやつに見えるんです。「キング」が無表情なのは意図的にそういうキャラクターに設定しているんでしょうけど、どちらかと言えば熱血系キャラのはずの誠まで今ひとつ感情が伝わってこない。全体的にドラマが表層的に見えるんですよね。その辺りが今ひとつ面白味を感じない理由。話自体は今回見る限りでは古くさい浪花節なんですが、そこにいかにも今風のお洒落でクールな味付けをしたら超薄味になってしまったという印象。
しばらくはフォローするけど、元々私の好みのタイプの話ではなさそうだし、早晩脱落かな。
くまクマ熊ベアー 1「クマさん、登場」
いわゆるファンタジー世界ものだが、最近流行の転生パターンではなく、ゲーム廃人がゲームの中で生きている物語のようで、主人公自身のリアルな生活は別にある模様。もっともその生活の方が妙に現実感がなくて、これが今後ストーリーに絡むのか、それともあくまでゲーム内の世界だけで進行していくのかは不明。
ゲームの中の世界はまあありがちの世界で、主人公が無双ってのも今時のありがちのパターン。特異性があるのは主人公がなぜかクマの着ぐるみというわけの分からん姿をしているということだけ。で、第1話は定番のモンスター退治だが、これをぬるくお気楽に呆気なく解決している。
ヒロインが非常に冷めたキャラというのが特徴だが、この辺りは今風なところか。もっともそういうキャラ設定のせいでキャラに感情移入はしにくいし、ストーリー全体が非常にクールというか平坦で盛り上がりに欠ける。冒険ファンタジーというには主人公設定に難があるし、とかいってクマキャラの萌えってわけでもないしというわけで、正直なところどこに見所があるのか分からなかった。
作品自体は特に破綻はないし、特別に「ひどい」と指摘しないといけないような決定的な問題点があるというわけでもない。しかしただひたすらに面白味を感じなかった。というわけでこれはいきなり脱落決定。
NOBLESSE-ノブレス- 1「守るべきもの/Ordianary」
いゆわる超常戦闘型の作品で、戦闘関係になると流血多めという今時の作品。そういう世界に何やら妙なヘッポコ感のある学園ものがドッキングしており、通常なら違和感が出たりバランスの悪さにつながったりしそうなところだが、それが意外と親和している。
主人公はどうやら長き眠りから目覚めたモンスターの類いのようだが、能力的にはまさに無双の魔王様で、どんな相手も指先一つでダウンというレベル。全体として腐女子受けしそうな美形キャラを揃えているのもいかにも今時の作品。浮き世離れしていてイマイチしっくりこない主要キャラが浮かないように、分かりやすいキャラとして配置している裕介が作品のバランス取りにもつながっている。また主人公の浮き世離れっぷりを逆手にとってのギャグ的味付けなんかも突然に入るのがこの作品の特徴でもある。
原作は韓国の作家らしいんだが、恐らくジャパニメーションなどの洗礼を濃厚に受けた世代だろうと思われる。日本のその手の作品をよく心得ているようで、日本人から見てもストーリー的に違和感はないし、殊更韓国を感じさせることもない。日本と違うと感じたのは、先週に放送された第0話で、生徒がキムチを勧めていたシーンぐらい(笑)。つい数十年前は韓国の作品と言えば明らかに日本よりも20年ぐらいは遅れている感じで、あからさまに日本の作品とレベルの差を感じさせていたことを考えると、かの国の進歩は目まぐるしいと感じる。恐らくその間、日本はほとんど足踏みしていたんだろう。
今回は0話での経緯から主人公の元にやっかいになることになったM-21が生活に馴染んでいくきっかけを描いていたストーリー。M-21に絡んで、彼を生みだした組織が背後にあり、その組織が主人公の能力の奪取を狙っているらしきことから、今後はその組織との戦いがストーリーのメインになっていくと考えられる。そのストーリーがシビアになってきた時に、この作品のもう一面であるへっぽこな学園ものとどういうバランスをとっていくのかが気になるところではある。
とりあえず要経過観察かな。ただこの手の話も本来は基本的には私の守備範囲外ではあるんだが。
3作品中の2作品を一応はしばしフォローする予定だが、どちらも基本的には私の守備範囲とは少々ずれるのでどこまでフォローするかは今後の展開次第。気になるのはいずれも現状は「特に悪くもないのだが、取り立てて面白味も感じない」という印象であるところ。どの作品も「イマイチ盛り上がらないな・・・」というのが率直な感想だった。