白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

昨日のアニメ(日曜日版)

 昨晩BS11で深夜に放送されたアニメ作品についてです。この中で最後まで見通す作品はあるでしょうか? ところで一週間分の放送予定表見たら、曜日ごとの偏りがすごいですね。一応は目を通そうかという作品が4本もある曜日があれば、逆に0の日もあるし(放送本数が少ない上に最初から私の守備範囲外の作品だけ)。もう少し散らしてくれた方がこちらとしては助かるんですが。教ドキュとの兼ね合いもあって、目を通すだけで大変。それにあっちは倍速再生でいけますが、アニメやドラマを倍速再生ってわけにもいかないので。

 

戦翼のシグルドリーヴァ EPISODE 01 「舘山基地へようこそ」

 これってゲーム原作なんでしょうか? 典型的なそれ系の配置だし・・・って思ってWikipediaをザクッと調べたら違うんですね。アニメオリジナル企画のようです。しかしキャラの配置といい、美少女が地球の命運をかけて戦闘機で戦うシチュエーションと言い、わざわざ舘山というご当地要素を出すところといい、鉄壁の萌え系ゲームパターンなんですが。今頃は舘山では町を挙げて宣伝中なんでしょうか? 今度何かの都合で舘山訪れたらまた聖地巡礼と間違われそうだ。それでなくても私は山城探索で大洗で宿泊したら、宿の人は全員全く疑いもなしに聖地巡礼だと思い込んでいたし(宿に立っている看板なんかについて「あれ、何なんですか?」って聞いたら「えっ!?」って驚かれた)。

 序盤には謎の敵が襲来してアメリカ空軍も歯が立たず・・・なんてことをグダグダやっていましたが、あれは要するに「美少女がレシプロ機に乗って人類の命運をかけて戦う」というおよそあり得ないシチュエーションを作り出すための前置きみたいなものです。

 いきなり5年後になってヒロイン登場。デルタ翼の主力機というのはスウェーデン空軍でしょうか? 私はミリオタではないのでその辺りの細かいことは全く分かりませんが。ただミリオタでない私でも、レシプロ機とジェット機が編隊で飛行するのがナンセンスだというぐらいは分かります。速度レンジが全く違いますし、ましてやデルタ翼は低速飛行時安定性が著しく劣ると来ているから。

 まあヒロイン達をレシプロ機で活躍させたい理由はよく分かりますよ。要は空戦を見せたいからですね。実際にパイロットが技術を尽くしての空戦をやっていたのは第二次大戦前半のレシプロ機の時代までですから。ジェット機以降の時代は高速で飛来しては誘導兵器をぶっ放すだけの戦いになってしまって、空戦なんてもんじゃないですから、情緒も見所もパイロットの技倆さえも登場の出番がないです。兵器の性能と物量がすべての時代になってしまって。

 それにしても彼女たちが乗っている機体もクセのあるもので、その辺りが制作者のこだわりでしょうか? ヒロインは複葉機でピンクに至っては水上機ですからね。実用性の観点から考えたら滅茶苦茶です。まあジェットの時代にあえてレシプロ出してくるんだから、どうせひたすら趣味で押すってことなんでしょう。赤が乗ってるのはゼロ戦くさくて、もう一人はBf109っぽいなと思ったんですが、調べたら赤のは日本機ではありますが、もっとマイナーな機種(鍾馗らしい)で、もう一機に至っては試作でBf109に負けたやつらしい。マニアックに走りすぎて実用性の方は二の次のようだ。どうせその辺りのリアリティは最初から捨ててかかってるんだろうけど。

 

 そしてヒロイン達しかまともに戦えない理由付けには北欧神話をもってきましたか。北欧神話の神様ってまさに戦をしたがるような荒っぽい神様が多いので、こういう戦いの理由付けには最適なので、最近のこの手の創作の世界では引っ張りだこですね。さすがに友愛を説くイエス・キリストとか、ましてや人類だけでなく生物すべての調和を説くブッダでは戦いの理由付けは出来ませんからね。一昔前はギリシア神話が大人気だったんですが、今時は戦の女神アテナなんて言い出したら「聖闘士星矢」を連想させてしまって、一昔前の作品に見えてしまうんで北欧神話の方が人気ですね。戦の神なんていうならヒンドゥーのシヴァなんかでも良いんですが、どうしてもマイナーですし、未だにアニメの世界ではなかなか東洋系は市民権を得てませんから。

 で、話の方はヨーロッパで戦っていたヒロインのクラウディアが日本に左遷されて、そこで一癖あるパイロット達とワイワイやりながら戦闘に明け暮れると。そしてその過程で一癖ある連中にもまれてくそ真面目でやや陰気系のヒロインが人間的に成長するってパターンか。にしても舘山基地のキャラ配置がこれまた昭和アニメファンから見たら、「ここって特車二課か?」って言いたくなるんですよね。後藤隊長がいるし、榊のおやっさんとシゲさんを突き混ぜたような奴がいるし。

 今後の話の展開のパターンも見えますね。中盤ぐらいまでは一癖ある連中のドタバタしたヘッポコ日常を楽しく描き、中盤から終盤にかけては急に事態が緊迫して人類の危機が迫る中、ヒロイン達が地球の運命を背負って命がけの出撃をし、そして敵を撃破してバンザイってオチなんでしょう。

 まあ私の目には「ストライクウイッチーズ」(キチンと見たことないですけど)辺りと大括りで同ジャンルに分類されてしまって、まあ典型的な今時の量産型アニメって見えちゃうわけです。しばらくは要経過観察です。彼女たちの日常を楽しく魅力的に描ければそれなりの作品になりますが、どっちみち大化けはないでしょう。

 

魔法科高校の劣等生 来訪者編 episode01

 このシリーズは前のシリーズを見てるので話は分かります。正直なところこれを見ていたせいで、今期に「魔王学院の不適合者」が登場した時に、この作品の焼き直しか? って思ったぐらいなんで。無双すぎる主人公の設定が似てますし、キャラの雰囲気までがそっくり(私の目には手塚治虫のスターシステムに見えてしまうぐらい)。ましてやタイトルまでよく似てますからね。

 それとこの作品を最初に見た時「これってCLAMPの作品?」という疑問も持ったんですよね。数人のキャラ(特に今回アメリカに留学することになったキャラと生徒会長)なんかそのまんまCLAMPの作品に登場できるようなキャラデザインでしたから。正直なところそういう諸々の私のような全くの部外者にはよく分からん疑問が湧く作品なんですよね。

 まあそれはともかくとして、元々キャラクターが多すぎるきらいのあった本作品なんですが、またもキャラが増えたようです。しかもこれがまた個性の強烈なキャラなんで、彼女が存在感を主張したら、当然のように今までいたキャラが大幅に割を食いそうです。既に一人がさっさと留学という形でリストラされてしまったし。

 で、この作品の見所と言えば、徹底して無双な主人公が敵の陰謀を真っ正面から力で叩きつぶしていって、その過程で多くの女性が主人公に靡いていき・・・ってこれじゃやっぱり魔王様と全く一緒だわ。あれにない要素と言えば、ヒロインとのムフフな怪しい関係でしょうか。前シリーズでは主人公に誰か女性が接近する度にヒロインが嫉妬炸裂させてましたからね。「兄妹」って回りに言っているにもかかわらず、あからさまに怪しすぎる関係なんですよね。回りも不審感もたないんだろうか?

 まあ今回もアメリカの思惑その他諸々すべて含めて、主人公がコテンパンに叩きつぶしてくれるんでしょうね。まあそろそろもっと裏のでっかい黒幕が現れてくる頃だろうけど。で、そいつがアヴォス・ディルへヴィアか・・・って作品が違った。

 

 というわけで日曜日はしばし経過を追うのはこの2作です。魔法科高校は前シリーズとのつきあい上も、余程おかしな方向に行かない限り(主人公のサイキックバトルが中心になりすぎてドラゴンボール化するとか、ヒロインとの怪しい関係の方がさらに怪しくなってそっち系の作品になってしまうとか)最後までつきあう可能性大ですが。戦翼の方は典型的量産型アニメでレベル的にも並という判断になれば途中で切る公算が大です。日曜は何かと忙しいことが多いので(平日よりも休日の方が忙しい謎のサラリーマン)。