白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

昨日のアニメ(土曜日版)

 この秋アニメも一気に大量に登場したようだが、正直なところこの中から私の趣味に合って最後まで見通す作品が出るかどうかはまだ不透明なところだ。とりあえずBS11で昨晩放送された3作品に目を通したので、それぞれの第1話の感想を記しておく。果たしてこれらの作品の中で私が最後まで見通す作品がいくつあるかは今のところは不透明。

 

魔女の旅々 第1話「魔女見習いイレイナ」

 魔法の存在する世界で魔女になった少女の物語のようだ。恐らくは「キノの旅」のように主人公が旅の過程で様々な体験を重ねていく物語になるんだろうと思われる。

 ヒロインは幼い頃に読んだ「ニケの冒険譚」の影響で、自分も旅に出たいと思うようになる。一人前の魔女になったら旅を許すという母との約束から、猛勉強して最年少で魔女の見習いとなる。一人前の魔女になるには師匠となってくれる魔女の元で修行をする必要があるのだが、最年少で見習いに合格した彼女はいろいろと評判になっているせいで、どこの魔女も弟子として受け入れてくれない(嫉妬があるのだと思われる)。そんな時に星屑の魔女と呼ばれるフランが現れて、彼女を弟子にしてくれるが、雑用ばかりを命じられて全く魔法の指導をしてもらえないまま1ヶ月が経過して・・・。という内容。

 フランがイレイナに魔法の指導をしてくれなかったのは、彼女の「何でも我慢してしまって自分の主張をしない」性格を懸念して母親がフランに頼んだとのことで、意図的にイレイナをキレさせて爆発させようとしていたというオチ。しかしイレイナがストレスを抱えすぎて大爆発したのでフランも動揺してしまったというのが心温まる。

 ヒロインの自立物語という側面を強調するのか、それとも異世界忌憚という要素を前に出していくのかは今のところ不明であるが、人物の描き方には特に破綻もなく納得性があり、魅力的に描けている。ただヒロイン萌え要素がところどころ現れているのが懸念事項であり、それが今後前面に出てくるようだと私にはしんどいかも。目下のところは要経過観察。

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか3 episode01

 完全に作品世界が確立しているシリーズの第3作だけに、今までのシリーズを見ていない私には世界の詳細を理解していないツラさがある。とりあえず一応は新シリーズの第1回と言うことで、本話からこのシリーズに触れる視聴者もいる可能性を考えて、各キャラ紹介的な要素のある話ではあった。とりあえず主人公のベルはかなり底抜けに人の良い男であり、他のメンバーはそんな彼に魅力を感じているという関係は分かった。そして彼が今回拾ってきたウィーネが本シリーズの鍵となるということは分かり、一見ほんわかしていた話の背後にかなりドロドロした事情が渦巻いているというらしいことも感じられた。

 基本的に異世界ファンタジー系は私の守備範囲には入るのであるが、作品の背景をあまり理解していないためか主人公が単なる甘ちゃんであまり魅力的に感じられなかったのが大きなマイナス。今回のストーリーの性格上、のっぺりした作画同様にややストーリーものっぺりしていたのもマイナス。今後話が展開していくと作品としての魅力が増していく可能性があるが、問題はそれまで私が耐えられるかというところ。本気でこの作品を見るつもりなら、私のアーカイブの中から本作の前シリーズが存在するかを確認する必要がありそう。しかし本作は何となく録画をしていない気が・・・。なお非常につまらないことで、これは特に作品の責任ではないのだが、老化による難聴が進行しつつある私には、やけに複雑なこの作品のキャラ名は台詞から聞き取ることが困難で、どのキャラが何と言う名前なのかを判別するのにかなり苦労した。

 とりあえずこの作品もストーリーの進行方向に注視ということでしばし要経過観察。

 

100万の命の上に俺は立っている 第1話「勇者失格」

 主人公の四谷友助は友達もおらず日常はゲームに浸りながら過ごしている中学生三年生。そろそろ進路選択を迫られているが、特に将来に対する希望も夢も見いだせていないといういかにも今時の若者。引きこもりになっても不思議でないような特性であるが、クラスに溶け込んではいないが特にイジメなどには遭っている様子もなく、本人も学校に対して面白味は感じていないようだが一応は登校しているようである。ただほとんど異常に思えるほどに東京という町に対する嫌悪感を有している。

 そんな彼が突然にクラスメイトの少女二人にファンタジー世界に引き込まれて問答無用でクエストの解決を求められることになる。そして謎のゲームマスターが彼に与えたジョブは何と「農民」。武器は鍬や鎌しか装備できずコブリンとさえまともに戦えない中で、レベルが低すぎて戦力外の仲間と共にどうやってクエストに挑むのか・・・という内容。

 基本的に異世界でジョブが農民なんてシチュエーションは笑うべきところなのかもしれないのだが、主人公がかなりダークなところを抱えており、他のキャラもそれぞれの事情を抱えていそうなことから、そういうダークな部分が見え隠れするために笑える作品ではない。そういうところも含めて、今後主人公の何らかの形の成長を描く作品なのかもしれないのだが、どうにも今時過ぎる主人公のキャラには、年代が違う私としては共感しにくい部分が多々あり、それが作品への感情移入を妨げている。

 主人公がゲスな外道でも「この素晴らしい世界に祝福を!」なんかは楽しめたのだが、どうも本作のダークな主人公は苦手である。今後どういう方向に話が進展するのかを要観察。

 

 目下のところしばらく(多分1ヶ月弱ぐらい)は3作共にフォローすることになりそうだが、今期はコロナ明けの影響かやたらに作品数が多いこともあり、もっと短期間で脱落作品が出る可能性もある。目下のところの脱落最有力は「100万人の命の上に・・・」。主人公に共感しにくい作品はやっぱり見ていてツラいし、ゲームマスターから一方的に意味不明な条件を課されるという状況は「GANTZ」などでもあった、いかにも今度の作品らしい理不尽さ。この辺りの「今時」要素は正直なところ私のようなジジイの感性とはかなりズレがある。昭和生まれの私はもっと単純な主人公の成長物語が好みで、だから昨期の作品の中での最高評価作が「天晴爛漫!」というわけである。

 なお作品タイトルから一方的にかなり軽いノリの作品と思い込んでいた「ダンジョンに出会いを求めるのは・・・」は、今回を見る限りでは意外にまともで正統派のファンタジーであり、今後腰を据えて見る(つまりは前シリーズも含めてという意味)かどうかの判断が難しいところ。