さて今年の冬アニメは百家争鳴というか有象無象というか、とにかく作品数はやたらに多いようです。当然のようにそれを全てフォローする時間的余裕も体力も精神力もありませんので、先の前半編に続いての一次スクリーニングです。
佐々木とピーちゃん
日常生活に疲れ切っているサラリーマンが、言葉を喋る変なペットと共同生活して癒やされる「出来る猫」系の作品かと思っていたら、そこから異世界で事業を始めましたという「老後に備えて異世界で8万枚の金貨」を思わせる展開に繋がったかと思うと、習得した魔法を思わずこっちの世界で使ってしまったことで、異能力者を管理している秘密の国家組織に組み込まれてというサイキックウォーズものの展開まで加わる。明らかに端っから要素を盛り込みすぎの上に、それぞれの整合性に無理があるので、いずれは作品が崩壊するのはほぼ確実と推測される。欲張らずにどれか1つの要素に絞れば良かったんだが、今時それでは全く独自性がないので、ありがちのパターンを無理矢理に切り貼りしたんだろう。とりあえず次回にストーリーの方向性ぐらいはチェックするかも知らんが、この有象無象がやたらに多い今期の中では、ほぼ間違いなく次回でオチる。
異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。
いわゆる異世界転生系だが、突然に過労死してしまった女性(アラサー)が、神様によって特殊能力(動物に好かれる能力)をもらって転生世先で憧れのモフモフ人生を送ろうという話。
もう冒頭から一体何十匹目の柳の下のドジョウだと言いたくなるほどに定型的な話で、そのお約束から一歩も踏み出していない。後はヒロインがひたすらモフモフ無双する話になりそう。神様から「人類を滅ぼすべきかどうかを判断する」という重い課題を与えられたはずなんだが、そんなのはどこに飛んで行ってしまいそう。これが「マーズ」なんかのように、人間の暗黒面を散々見せつけられた挙げ句に、ヒロインが最後に人類絶滅を選択するなんてハード展開でもしたら、ある種の伝説になるかも知らんが(その代わりに作品はぶち壊しである)、まあそれはなかろう。
作品的には目下のところ嫌味は全くないので、作品数が少なくて暇なシーズンなら惰性で最後まで付き合うかもしらんが、今期のようなやたらに作品数の多い中では切るかな。
ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
悪役令嬢と名乗っているが、いわゆる「婚約破棄系」。王子がバカすぎて真面目なヒロインを煙たがって捨ててしまうと言うお約束パターンの1つで、「転生王女と天才令嬢」とかの序盤でも出てきたよくある設定で、これも上と同様に「一体何十匹目の柳の下」なんだと言いたくなるお約束パターンの1つ。
ただ若干違うのは、ヒロインは今回が7回目のループと言うことでかなりすれている結果、どうやらスローライフを目指したいという願望を持っているらしいことと、いきなり先の6回目のループで世界的な戦争を起こして、その戦いで騎士となっていた彼女の命を奪った若き皇帝と出会ったということ。その結果、どうやらその皇帝(今は皇太子)に惚れられてしまったらしいから、うまくやればその皇太子が戦争を起こすのを防いで、願望のスローライフを送ることが出来るかもということを匂わせている。
と言うわけで、どこかで散々見たことがあるような要素をごった煮にした作品。とりあえず次回ぐらいは話がどういう方向に向かうのかの見極めをするかもしれないが、これもいずれは落ちることになるのはほぼ確実。
魔都精兵のスレイブ
「暴食のベルセルク」のように美少女騎士を守るために魔物と闘う男の話かと思っていたら、美少女騎士に飼われて魔物と戦うことになるドM男の話だった。
基本的なストーリーは異世界で魔物をぶっ倒すという話のようだし、主人公は下僕扱いとはいえ、働いたら女王様から「ご褒美」はもらえるし、日頃の環境も美少女ワラワラ状況という話のようだが、どちらに転んでも私には興味が持てない世界なので、これはいきなりオチます。
HIGH CARD season2
昨年の冬アニメに登場した小気味よいアクション系のバディもの。先のシーズンは結局は背景に陰謀がチラホラ見えるところまでで終了したが、今期でそれを解決まで持っていくのだろうか。
前期の評価がそこそこ高い作品なので、とりあえずチェックであるが、今回単独でいう限りはいささかテンポが落ちている印象であるのが懸念材料。
真の仲間じゃないと勇者のパーティーから追い出されたので、辺境でスローライフする
21年の秋アニメに登場したリストラ系からスローライフ系につながって、結局は主人公が魔王とかは放り出して辺境で恋人とイチャイチャするだけの話の続編。
世間的にさして評価が高かった作品でもないし、前期で一応の話の決着は付けていたし(結局は主人公を追放したバカ賢者が自滅するだけの話だったが)、まさか続編が登場するとは全く予想外であった。
とりあえず第一話は主人公が妹も合流して恋人とイチャイチャしているだけの話で、そこに昔なじみのエルフ(これも主人公に気がありそう)が登場して、もしかしての三角関係勃発かという内容で、相変わらず世間のことなんてどっちでも良い模様。前期もそんなに私的な評価が高いわけでないし、単なる主人公のリア充物語だったら早晩オチる。
姫様"拷問"の時間です
王国の姫にして騎士団長であるヒロインが、魔王軍の捕虜となってしまって拷問を受ける物語・・・なんだが、その拷問の内容がことごとく食事攻め。あまりにも馬鹿馬鹿しくてアホらしいんだが、なんか笑ってしまうところのある内容。
ホカホカのトーストから始まって、関西の最終兵器のたこ焼きと続き、トドメは深夜のラーメンという攻撃に「どんな拷問にも耐えられる」と豪語していた姫が、呆気なく屈して機密をベラベラ喋ってしまうというのがお笑い。しかもこのボケ姫に対して、しっかりとツッコミ役として剣を配しているという鉄壁布陣。いわゆるお笑いの壺は押さえている。
まあタイトルに反して、非常にほのぼのとした毒気のない作品で、くだらないのに笑えてしまう。もっとも見る時間は考えた方が良さそうだ。おかけで私も夜中にラーメンが食べたくなって困った。まあしばらくはチェック。問題はネタが続くか。
SYNDUALITY Noir
昨年の夏アニメとして登場して、まだ問題が何も解決しないで話の中途で中断した作品の続き。前期の私的評価もそこそこ高い作品で、今期が解決編としていろいろ期待させるところがある。
とりあえず綾波型ヒロインの典型だったノワールが、どうやら二重人格ヒロインになってしまった模様。いきなり綾波がアスカに変わってしまうというタイプの人格入れ替わり(ミステルが主人公を「バカシンジ」ならぬ「ヘッポコ」と呼ぶのがいかにも)というパターン。どうゆらカナタがミステル(ノワール)と共にラピュタを探しに行くのが話の核心になる模様。で、シエルはスパイとして同行するのだろうか。
そういうことなので、この作品はむしろ「登場を待っていた」作品なので、余程下手をしない限りは完走するだろう。途中でズッコケないことを祈るのみだが。
望まぬ不死の冒険者
何かダンジョンでドラゴンにやられてしまって、気がついたらスケルトンになってしまっていたという主人公が何とか生き残ろう(と言うか、既に死んでしまっているのでは?)という物語。とりあえずスケルトンでは町にも行けないから、モンスターと戦ってレベルを上げて、とりあえずは肉のついているグールにまでは進化した模様。
一応主人公はその状況でも最上級の冒険者を目指すという目標だけはあるようであるが、作品自体が目指す方向がよくわからない。しばらくは様子見だが、どういう風に視聴者の関心をつなぐストーリー展開をこれからやっていくつもりなのかに注目。
悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~
最初は主人公が転生した物語の話を始めて、そこから本題に繋ぐというかなりひねった導入を取ったが、多分に出オチ感がある。いざ本番が始まってしまうと今まで山ほど出ている悪役令嬢ものと比べて取り立てての特徴がない。あえて特徴をあげるとヒロインがいざという時には自分で魔王を倒すことまで考えているレベルの無双というだけ。
とりあえず元のストーリーでは自分が最終ボスになってしまっていたために、そうならない展開を目指して、なるべく元のストーリーのヒロインと関わらないようにしようとしているが、どうしてもそう出来なくなったりなどという展開になるんだろうというのが予想のつくところ。結局はドタバタ物語になりそう。とは言うものの、ここまで定型だと途中でオチる確率は70%ぐらい。とりあえず次回は話の方向性確認のためにチェック。
以上、後半戦であるが、10作中でいきなり切ったのは2作に留まっており、結構な作品がとりあえず生き残った。なお第2期作品が多いことから、「SYNDUALITY Noir」と「HIGH CARD」は余程下手をしない限りは完走予定。あとの作品はしばし様子見ということに。ただ次回でほぼ確実にオチそうなのが半分近くというところか。