白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2022年冬アニメ 日曜日編2

 新年度のアニメの2週目です。そろそろ今期の状況も見えてきたというところです。今日はとりあえず2作。

 

 

失格紋の最強賢者 第2話「最強賢者、迷宮へ。」

 前回であっさりと魔族を葬ったマティアスですが、どうやら人間が単独で魔族を葬るのは有史以来の快挙だったそうで、王から褒賞を受けると共に、王国防禦の権限を委ねられたようです。それにしてガキのマティアスに対してあっさりと全権を委ねるのは非常に柔軟性が高いというか大胆な王ですな。こういうタイプの王は超無能か超有能かのどちらかです。

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 で、ダンジョン探索の戦利品を自由にする権限を得たマティアスは「資源獲得」のためにダンジョンに潜る。そこでダンジョン探索するなら仲間がいる方が有利だろうとルリイとアルマに声をかけると。足手まといになることを彼女たちは警戒していたが、確かにマティアスとは実力的に段違いに劣るのは間違いないが、マティアスは彼女たちに素質を感じているのか、基本から指導する気になっている模様。

 それにしてもこの時代、魔法技術が魔族の画策でかなり落ちているとのことだが、人間の素養自体は変わっていないようです。それまで廃れていた技術にもかかわらず、マティアスが少しコツのようなものを指導しただけで、無詠唱魔法を普通に使える者が続々と出ているようですから。ルリイとアルマの二人もマティアスの英才教育でたった一日であっという間にレベルアップしている(彼が持つレベルアップアイテムの効果もあるようだが)。

 マティアスは前世で魔族を絶滅寸前まで追い込んだといっているから、本来の彼の実力からいけば魔族なんて相手にもならないんだろうけど、今は転生してまだガキの状態だから本来の彼の実力には到達していないんだろうな。それでも経験と知識で基本スペックの低さは補えると言うことのようで。階層ボスの毒蛇も全く問題にしてなかったようだし。

 と言うわけで相変わらず主人公は豪快に無双のようです。それにしても諸々の条件がもろに不適合魔王様の話と被るんだよな・・・。そもそもキャラデもこの手の作品の典型的お約束キャラデのせいで、あの作品と極端な違いを感じないし(イラストの類いをする人などからは「これだけハッキリした違いが分からんのか」とド顰蹙買いそうだが、そっちに全く興味の無い私からしたら大同小異に感じてしまう)。

 とりあえず特別な面白味も感じませんが、かといって難点もなく、また私の嫌いなタイプの話ではないので、余程のあからさまな破綻とか失速がない限り完走しそうな雰囲気になってきた。

 

 

現実主義勇者の王国再建記 第15話「莫逆の友と為る」

 例によってタイトルに時折聞き慣れない言葉を使いたがるこの作品だが、「莫逆の友」とは極めて親密な友ということらしい。ジャンヌと腹を割って話し合い、帝国と王国で秘密同盟を結ぶようになったということを指してるんだろう。元々最初からジャンヌは明らかにソーマに好感を持っているし、ソーマの方も邪悪な目論見やら野心はないわけだから腹を割って話し合えば決着はつけられるということで。そう言う意味では帝国の女帝が聖女様であるのは大きい。帝国皇帝がアミドニアの馬鹿王みたいなのだったらどうにもならないところだった。

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 で、馬鹿王子が超強い酒でもてなされて恐らくぶっ倒れているうちに会談は決着がついたようです。アミドニアに賠償金を支払わせて王国はヴァンから撤退すると。まあ妥当な線でしょうね。そもそもソーマもアミドニアを併合するつもりはなかったし。まあこれでアミドニアにはあの馬鹿王子が復権するだろうが、民の信頼を得られずに長続きはしないだろうな(この辺りは妹のロロアも読んでいたようだが)。そうなった時にどうなるか。妥当な線はロロアが後を継いで王国と通商を中心とした共存共栄関係を結ぶって体制になることだろう。アミドニアは国内の食料が不足していたことからエルフリーデンに侵攻して穀倉地域を奪還するというのを国是としていたが、安定して食料をエルフリーデンから獲得できるなら、その必要性もなくなるし。ロロアなら恐らくその辺りを計算しての運営が出来そう。コルベールを初めとする官僚も彼女に付いているようだし。

 ソーマが「魔族とドラゴニュートなどの区別が付かない」と率直な意見をいいましたが、確かにあれはあの世界では世界の存立そのものを揺るがせかねない一大事なんだが、実際には理詰めで考えるとそうなるという話でしょう。あの世界の人間は魔族と人間をそう言うものとして感覚的に区別しているが、理詰めで来られると線の引きようがない。それはソーマに指摘されて初めて気付いたようです(あの賢明なハクヤでさえ)。まあそうでしょうね。こっちの世界から行った者なら、獣人まで含めて人類という感覚なんなら魔族とどこで線を引くのって話になる。まあこっちの世界でも、別世界から来た人間なんかだったら「黒人と白人ってどこが違うの?」と言っても不思議でない。

 確かにこれって爆弾発言で、他民族国家である帝国を分断しかねない爆弾であるだけでなく、そもそも人間宣言自体の存立をも危うくしかねない。ソーマが言っている人間宣言には危ない部分があるってのは、魔族とは何かという定義の問題のように思える。今のところ魔族と意思疎通は不可能ということになっているが、ジャンヌの話では帝国でも魔族が何らかの言葉を使っているということは認識している模様だから、そうなると「相手と意思疎通が出来るのではないか」というところにたどり着くのは時間の問題。実際にソーマは実は意思疎通が可能であることは知っているし(トモエが実際に話をしている)。そうなると「魔族ってつまりは少数種族と同じなのでは」という話になってきたら人間宣言自体がおかしなことになってくる。これは大爆弾だわな。

 と言うわけで内政勇者の物語は対外関係も絡んできたことでようやく話が動き始めてきました。本作については尻上がりに盛り上がってきているという印象。


 と言うわけで今日の2作は完走の可能性はかなり高いです。次週からはそれぞれの作品ごとに項目立てになるでしょうか。