白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

SPY×FAMILY 第25話「接敵作戦」

予定通りロイドとドノバンのファーストコンタクト

 第二期のラストとなる今話では、予定通りにロイドがドノバンと初めて直接対面するエピソードとなっています。元々ロイドの作戦はドノバンと接触することが目的だったわけですから、やはり第二期まで来てこのオペレーション梟に纏わる進展が何もなかったらしんどいところでしょう。

     
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 結果としてはスパイスキルを総動員してドノバンの人間性を探ろうとするロイドですが、ドノバンはかなり複雑で表裏のある人物のようであるので、流石のロイドも短時間のこの接触だけではその人間像を測りかねたようです。まあ同じ感覚は視聴者にも抱かせるようになっていますね。恐らく視聴者も両者のやりとりを見ながら「どうも底を見せない人物だな、こいつ」って思っていたはず。バリバリの独裁者資質を持つ人物らしきのに、それを表立って現さずにむしろ普通の無害な人物にさえ見えるように振る舞うところがあるのが不気味って言うか。

 で、それに絡めてダミアンとドノバンの微妙な親子関係も見せてるんですよね。ダミアンは父親に認められたいという年相応の純粋な思いを持っている。この辺りって、ダミアンって育ちの環境もあって少々ひねくれたところはあるが、根っこは悪いヤツではない(どころか純粋で真面目な意外に良い奴)というところを見せている。そういうのを見ていると、ベッキーでなくてもアーニャを応援したくなるところ。もっともアーニャには父の任務に協力しようという以上の気持ちはないようだが(笑)。それに対して、ダミアンの方はもろにアーニャを意識し始めているようだから、どうすんのよこれって感じだわな(笑)。

 

 

とりあえずは劇場版に続くってことですか

 ロイドもヨルも超一流のスパイと殺し屋なんだが、実際のところはすべての黒幕は実はアーニャというバランスがまた面白いところなんだな。ロイドとヨルの2人は互いにダマし合いつつ微妙な関係を保っているけど、アーニャだけが2人の事実を把握していて、実は裏でいろいろと画策しているという。それがかなり先回りしているから、ロイドにしたら「何を考えているか分からない」になるんだが。ダミアン達が「オッサンも苦労してるんだな」と言っていたが、確かに苦労している。アーニャの「考え抜いた挙げ句の突飛な行動(笑)」って、彼女がテレパシーを持っているって知らなかったら理解できなようになっている。この辺りの設定も上手いわ。

 それと始まった時からずっと気になっているんだが、アーニャの実際の年齢って実はもっと低いんじゃないかってこと。アーニャはロイドが孤児院に子供を探しに来た時に、ロイドが6才の子供を探しているのを読んで「6才」って言ったんだが、最初からどうも実年齢は不明なところがある。実は1つか2つ幼かったら説明付く部分が多いんだよな。どうも他の同年の子供たちと比べて身体が小さいことや、お勉強が苦手なこと、さらに運動の鈍くささも。この年代の子供って早生まれと遅生まれだけでも身体能力などに顕著な差が出るから。アーニャはテレパシー能力のせいで変にませたところがあるので誤魔化せているが、基本的にはかなり幼児だから。もしそうだったら、これから数年で急激に能力が向上するって可能性もあるな。まあそうなっちまったら別の作品って気もしなくもないが。

 で、この作品。映画化が決まった模様。まあ今がまさに人気絶頂なので、この時期に色々仕掛けるのはビジネスとして当然(とは言ってもマイナカードのPRだけはマジでやめて欲しかったが)。第三期をすぐに出すのは原作の進行的に考えてしんどそうだから、当然のようにここに来るべきは映画だわな。気になるのは、原作のこの先のエピソードを持ってくるのか(豪華客船での暗殺者決戦のエピソードなんていかにも劇場版向きではある)、それともオリジナルのエピソードを持ってくるか。原作から持ってくるのが楽だが、やはり先を睨んで原作エピソードは温存したところだから、普通に考えるとオリジナルエピソードか。原作と齟齬を生じない魅力的な外伝エピソードをいかに作れるかが鍵だな。まあかなりキャラが確立している作品だから、すごく動かしやすくはあるが。実際にここまでキャラが立ってたら私でもファンアートの1本ぐらい書けそうだからな。

 

 

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