白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

後宮の烏 第13話「想夫香」

なんかもろにエピローグって趣になってるな

 前話で今回の騒動のラスボスたる封宵月をあっさりと退けてしまっているから、今回は事件らしい事件もろくになく、もろにまとめのエピローグって感じになってます。RPGだったらボス戦が終わって開放した町々を回っているような雰囲気。EDがそろそろ聞こえてきそうというところ。

   
原作はコミックだと思っていたら小説なんですね

 何やら封宵月を手引きした黒幕がいるとのことで、それが薛魚泳でしたって展開があるんだが。今更波乱が起こりそうな雰囲気は皆無だったからな。結局は彼は先代の烏妃である麗娘に思い入れがあり(端的に言えば惹かれていたんだろう)、出来れば彼女を解放してやりたいと思っていたんだが、それが叶わなかったという立場の模様。だから結局は寿雪に恨みは皆無で、恐らく封宵月の烏妃を終わらせるという意図に対して反応したんだろうって事は分かる。まあ自身がそういう経緯があるから、寿雪に対してグイグイ行く高峻に対して釘を刺したんだろうってことだわな。

 寿雪はその辺りのことを分かった上で、薛魚泳に害されるならそれはそれで構わないというような一種の達観のようなものがあったようです。高峻は慌てて飛んできたようですが。

 

 

まあ綺麗にまとめたとは思う

 とりあえず根本的な問題は解決していないのだが、そもそもこの問題は作品として解決させる必要があるかと言えばないんだよな。だからこれで一応は綺麗なまとめになっている。しかもその気になれば作品自体をいくらでも引っ張れるんだよな。後宮で起こる様々な幽鬼絡みの事件を、烏妃がその超常能力で解決していくオカルチックヒューマンドラマとして。実際は続編を作るのなら、一応の締めとして今度は烏妃の根本問題と高峻との関係について決着をつける必要に迫られそうだから、まあここで綺麗に締めにしておく方が正解だろうな。この作品。

 結局のところ、何やらオカルチックな背景を感じさせながら、具体的な内容は毎回寿雪が後宮内の幽鬼に関する事件を解決していくという現代版ゲゲゲの鬼太郎。そしてその度に、その幽鬼が誕生するに到った背景をヒューマンドラマとして描いていくというのが主眼で、そこには悲恋の物語や時にはハートウォーミングな話も存在したりという展開である。それを主眼としながら、寿雪と高峻の奇妙な友情(?)というか、それよりもぎこちない愛情と言うべきだろうかを描いていくドラマ。そういう線では非常に筋の通ったまとまった作品となっていた。ヒューマンな要素と寿雪と高峻のラブコメ(?)的な要素が強いので、オカルト作品には全く興味のない私でも面白く見ることが出来たというところ。結果としては超不作の今期の中で、まずまずの作品となった。

 

 

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