楽器に未練を残した楽オタの物語
えーっと今回の内容、現代風に翻案したら「ゲーム廃人がいて、彼を正気に戻そうとゲーム機を無理矢理奪ったら、首つり自殺してヘッドマウントディスプレイに憑依してしまった」という辺りでOKだろうか。で、最後はサターンのハードを火葬して成仏・・・ってこれで成仏しそうなのは異世界から戻ってきたおじさんぐらいだな(笑)。
ところで今回の案件、寿雪にしたら「なんでこんな案件まで持ってくるかな。私はゴーストバスターズと違うぞ。」って辺りではなかろうか。今まで高峻が持ってくる案件は、幽鬼の出現で困っている奴が王宮内にいるから解決してくれって感じだった気がするんだが、今回の案件はわざわざ首突っ込む必然性のない案件に、無理矢理首突っ込んで寿雪の元に持ってきたという印象。
結局は高峻が「グイグイ来る」ための口実として、幽鬼関連の案件を片っ端から寿雪の元に持ち込んでいるって感が強い。寿雪にしたら「なんでこの男はこう頻繁に私のところに来るんだ」って感じだろうが、あれだけしょっちゅうグイグイ来られていたら、もし突然にパタッとこなくなったらそれはそれで寂しいってのが本音じゃないか。
それに困ったことに、寿雪は本質的には優しいというかお節介なところがあるから、ああいう案件を持ち込まれたら無碍に無視も出来ない。まあ高峻もそういうところを読み切ってやってる感が満々だが。
何やら人の思惑が交叉する話になってきた
ところで最初の頃は幽鬼になっているものはこの世に未練(大抵恋愛絡みだったが)を残しているので、それを晴らして成仏させるという美しく悲しい話だったが、前回辺りから幽鬼の関連者が心の奥底に疚しさを持っていてそれで苦しんでいるっていう話になってきたな。前回の安蕙蘭なんかもろにそうだったが、今回の左丘曜も乞伏士畢の身を案じたといいつつ、その実は自分の内心に彼の才能に対する妬みがあって、それが彼から琵琶を奪うという行為になってしまったと白状している。何か今まで死んだ者の話だったのが、段々と生きている者の業の話になってきた。
その一方で「烏妃を殺す必要がある」と言っていた封宵月はいよいよ本格的に水面下で動き始めたという展開になっています。結局は彼の陰謀が動き出して、寿雪危機一髪ってとこで高峻が助けに動くんだろうか。とりあえずそれで一応の大団円ってところでしょうか。
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