白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

後宮の烏 第7話「玻璃に祈る」

ついに黒幕登場・・・と思っていたら

 今回のサブタイトル、いきなり「玻璃」って何? ってなりそうだが、玻璃って要するに水晶とかの宝玉のことで、「瑠璃も玻璃も磨けば光る」の玻璃のようです。なおこのことわざ、私はこう覚えていたのですがザクッと検索すると「瑠璃も玻璃も照らせば光る」という言葉の方が出てきます。私のは誤用なのかどうかは分かりませんが、何にせよ優れた能力を持っている人はいずれ頭角を現すという意味ですが、「照らせば光る」だとその才能に光を当ててくれる人や環境があれば一気に頭角を現すというニュアンスを感じさせるのに対し、「磨けば光る」だとその才能を磨く努力をしていたらその内に頭角を現すというニュアンス。瑠璃も玻璃も宝玉であることを考えると、「照らせば光る」の方が正しいのかな? ちなみに某ルリさんは照らせば光るどころか、権力に対する媚び芸に徹している内にドンドン迷走してどす黒く汚れてきてますが。

   
原作はコミックだと思っていたら小説なんですね

 前回に突然九九の身体を乗っ取ったのは、今回の事件の黒幕と見られていた先王朝の呪術師のホニャララさん。ちなみに私は前回「楽ホニャララ」と思っていたのですが、今回よく聞いていると先王朝は「蘭(字は不明)」氏のようです。本当に用語がわけ分からんから字幕を出してくれ。アニメ見てるのは原作読んでいる奴ばかりではないので。

 で、このホニャララ氏が九九を乗っ取って何を脅迫するのかと思っていたら、寿雪の怒りに触れていきなり強制離脱。何か術のレベルが違いすぎる模様。しかも実は脅迫ではなくて「お願いだから力を貸して」という話。何か物の頼み方を知らなすぎる可哀想な人ですが、まあ王室関係者なんてこんなものでしょうか? そしてその内容は、幽鬼になってしまっている恋人(叔母に当たるらしいが年下)を救ってくれという話。しかもこの男、彼女と結ばれるためにわざわざ養子になって蘭姓を捨てたという超恋愛脳でした・・・。蘭王朝復活でもけしかけてるのかと思ったら、自ら姓を捨てるぐらい権力には執着してなかったということでこれは正直ドッチラケタ。

 

 

何か美しい愛情物語でまとまってしまいました

 結局は彼の恋人であった皇女が柳の下で幽鬼となって留まっていたのは、彼に求愛の証として送られた櫛を見守るためだったと。で、寿雪がそれを見つけてやれば彼女は浄化されて無事に恋人と再会。2人は手を取り合って美しく成仏・・・なんか普通に美しい恋愛ものになってしまった。まあこの作品らしくはあるけどね。この作品に登場する幽鬼って最初から恋愛関係の未練残している奴ばかりだったから。

 で、寿雪は勢いを駆って高峻の元に夜な夜な現れる幽鬼の問題もチャッチャと解決。要は高峻に処刑された皇太后がその前に彼に呪詛をかけていたが、その物の怪が高峻の元に訪れることを母親と忠臣が2人で阻止していたと。まあそんなところだろうとは思ってましたが、何しろこの2人は高峻の元に「恨めしや」と現れる理由はありませんから。現れるとしたらむしろ守護霊としての立場。結局は彼のために必死で守護をしてくれていたということか。そして彼がここのところ体調を崩していたのはその呪詛のせいということか。いよいよ最後に命を奪いに来るところを2人がかりで必死で阻止してたんだろう。これもまた美しい愛の物語でした。

 というもろに愛の物語を目の当たりにして、寿雪の心にも揺れが現れてきてます。意図的に世情の感情を持たないようにしていた彼女ですが、やはりここに来て高峻に好意を持っているのを意識してきたようです。もっとも彼女はそれを必死で否定しているようですが、九九だけがこの辺りの事情を察して1人ニヤニヤ。それにしても高峻もグイグイ来る男です。やっぱり男は女に対しては押しが必要なんでしょうか。もっとも彼のような地位も権力あるイケメンがグイグイ押したら女もグラッときますが、地位も名誉もないブサ男がグイグイ行ったらキモがられてセクハラ扱いされるのがオチ。結局はこれも所詮は「ただしイケメンに限る」なんだよな。

 

 

2人の関係というのがこの作品の核なんでしょうが

 グイグイ来る高峻はとうとう旧蘭家の血筋の者を処罰する法を撤回。これは明らかにその血筋である寿雪を守るため。もっとも王朝簒奪は爺さんの代のようで、さらにその時に旧王家の血筋を徹底して絶やしているので「もう残っているのはいない」とは言いやすいですが。恐らく今まで惰性で残ってたんでしょうね。旧王家排除の法は。先代の烏妃に対してまで敬意を表する高峻に思わず寿雪が涙してしまいましたが、初めて寿雪が感謝を素直に示したようです。何か2人が引っ付く方向に一直線のようですが。寿雪を警戒していた懐刀君(衛青でしたっけ?)も今回の件で寿雪に感謝しているようですし。

 まあ普通のパターンから考えたら、このまま2人は友人として幸せに暮らしましただと話にならないので、まだ波乱があるんでしょうが。高峻の方は「まず友達からのおつきあいをお願いします」って雰囲気だし。お約束としてはこれから王朝をひっくり返しかねない大陰謀が動き始めて、それの解決に寿雪が大活躍、そして2人の絆はより強くなるってパターンだが。実は今回の件がそういう話になると思っていたから、今回の展開はドッチラケたんだが。

 

 

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