白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

黒の召喚士 第12話「もう一人の転生者」

もう一人の転生者を鎧袖一触したケルヴィン

 ケルヴィンの前に現れたトライゼン魔法騎士団将軍クライヴ。いきなりエフィルを魅了しようとしましたが、それはアッサリとケルヴィンが妨害した模様。「俺の女に手を出すな」ってコテコテの台詞、確かに滅多に聞くもんではないな。そもそもリアルでなんて聞いたことはないし、創作の世界でも最近はクサすぎて出てくるものではない。ちなみに「俺の女に何さらしてけつかんねん!この償いはどうする気だ!」と来るのは美人局の定番です。こちらは今でもあったりするそうですが。

   
原作は小説ですがコミックも出ている模様

 で、魔法力と美貌が売りらしきこの将軍。一応はスペック的にはケルヴィンとタイマン張れる程度のレベルはある模様。ケルヴィンはそのスペックからこいつも転生者だと見破りましたが、成長力強化とかあったようだからその辺りからか。ちなみにケルヴィンは年齢とか容姿とかは変更していないとメルフィーナが言っていたが、こいつは多分その辺り修正しているだろうな。何となく非モテが拗らせて異世界でハーレム作ろうとした雰囲気がプンプン(というか、もろにそういう作品もある気がするが)。ケルヴィンもツッコむならその辺りツッコんだら良かったのに(「貴様、容姿とかも転生ボーナスでかなり操作しただろう!」って)。もっとも「来るなら来やがれ、この非モテオタ野郎」とか言っちまったら、ケルヴィンが視聴者から反感買いそうだが。

 この将軍、最後はS級魔術の奥義と災厄クラスの魔法を考えもなしに炸裂させましたが、その魔法もケルヴィンが作り出した魔法で一刀両断。確かケルヴィンはオリジナル魔法を作り出すスキルを持っていたっけ。そのスキルで何やら仕込んでいたようです。で、「足が、足が」とムスカ状態になっていたところで、ケルヴィンは何も躊躇わずにトドメを刺しにいってましたね。ケルヴィンは外道を葬ることに躊躇いは一切ない模様。そこまで聖人様ではないようです。しかしクライヴは唐突に現れたトライゼンの他の幹部に救出されてしまいましたと。こいつももしかして転生者か。もっともケルヴィンが処分しなかった分は、あちらで「ほーれ、お仕置きだっぺぇ~」となっていたようだが。果たしてクライブ君の運命はってのが第二期にテーマ・・・って、第二期はまずないだろうが。

 

 

人生やり直しのニュアンスはこの作品はあまり正面に出してない

 ケルヴィンは「バトルジャンキーの自分も一つ間違っていたら、あいつのようになっていた可能性が」と気にかけていたようだが、実際は気がつけば本妻に愛人に娘に妹に爺やとペットと使用人抱える身分になっていたので、こちらの世界に守るべきものが多くなっていたことも同時に認識してます。ケルヴィンは自分がそうならなかったのは、彼らは幸福な出会いをしたからという結論をしてましたが、実際のところは一番最初の最初から本妻メルフィーナ様の助言という名の監視付きだったから、彼が非行に走る余地さえなかったような気がしますが。褒めるなら全力で女神様を口説き落とした記憶を失う前のケルヴィンでしょう(笑)。

 記憶を失う前と言えば、ポロッと「今度は後悔したくない」という言葉が出てましたが、あれは要するに記憶を失う前のケルヴィンの記憶の一端なんでしょう。恐らくかなり何かの後悔を残して死んだ状態だったということが推測できます。ケルヴィンはパラメータを得るために記憶を捨てたとのことだが、実際のところは捨て去りたい記憶でもあったのではということも匂わせています。まあありがちのところでは、何かの失敗で愛する人を失ったとかいうところか。もっともケルヴィンってまだ20代そこそこのはずだから、その年でそんなにハードな体験をしてるんだったら、かなりキツい人生だった可能性がありますが。

 その辺りの過去の経験を前に出しての人生やり直し物語みたいなものもありますが(典型例が「無職転生」)、この作品はそういう重苦しいのは抜きにして、単にケルヴィンの痛快物語にしてます。おかげでテーマは「俺より強い奴に会いに行く」になっちゃってます。まあこの作品の場合はそれが正解だろうな。正直なところなろう系にごまんとあるありきたり作品の一つですが、とりあえずアニメとしては無難に作っていたと思いますよ。もっとも第二期が登場するほどの作品でもない。

 

 

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