白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中 第10話「砂漠で見つけし明日への希望」

主旨は分かるが、尺を考えると完全に無駄話なんだな

 今回の話の肝は、今までの経緯から人間を敵視して信用していなかったアリアンが、普通に人と溶け込んで暮らしているカーシーを見たことで、人とエルフが共存する社会というのがあり得るということを知るという展開。まあ人の方では例の意識高い系のお姫様がその方向で進もうとしているようだから、いずれはそれとアークやアリアンの行動がリンクしていく上で重要な内容なんだろうが、ハッキリ言って全12話の第10話で持ってくる話じゃないな。どうせ今回のアニメはそこまで話が進まないだろうから。第2期があるのかどうかは知らんが、正直なところ第2期作るほどの話でもなかろう。こんなところでこういう本筋からはずれる話を持ってきていたら、いよいよもって話が完全に中途半端で終わってしまう。

     
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 どっちにしてもアニメがラスボスまで届くことは到底無理そうだから、結局は何らかのオチをつけるために持ってきたのが、唐突に最後に登場した魔物使いか何かの凶悪な男だな。恐らくあれが中ボスで、アークとアリアンがあいつを倒す辺りまででアニメ終了だろうか。結局のところ、何も始まっていないし何も決着がついていないという腑抜けた内容になるが、最近の原作付きアニメってそういう視聴者を端っからバカにした原作販促ビデオとしてしか作ってないから。

 

 

中途半端に終わりそうとなったら、見所がなくなってきた

 となったらこの作品の見所って何なんだ? アークの骸骨騎士って設定、アークのゲーム世界に転生設定以上に不要な設定になっていて、作品上何の意味も持ってないし。最近の作品って、こういう不必要な設定を持ち込んだ結果として何も活かせていないという作品が多すぎ。最近の転生ものの大半は、転生設定は主人公を無双にするための理由付けだけであって、転生設定自体は全く不要になっているから。この辺りが転生無双ものがオワコンだと私が散々言っている理由の1つなんだが。

 とりあえず無理矢理に転生設定の作品作るなら、私なら「史上最強の大魔王」の第10話の与太話に記したように無理矢理に別の要素を付け加えますね。そうでもしないと新味なんて出ない。

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 この作品に関してはキャラが描けていないとか魅力が無いとかいうようなレベルでの失敗はしてないんですが、根本的に話の方向性が甘くてストーリーが盛り上がらないんですよね。その一因は無双すぎて全く何の危うさもない主人公にあるのは明らか。これが転生無双ものの問題点です。以前から散々私が言っているように「無双な主人公なんてストーリーの最大の障害以外のなんでもない」ですから。この作品でもアークはパラメータ的には無双だが、技というヒューマンの面ではまだ未熟という限界を描いていたにもかかわらず、結果としてはそれは全く生きていない。何かこの作品って、実はポンタ可愛い以外に特に見所のない作品ではって気がしてきた。

 

 

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