いよいよの時を迎え、レオが過去を思い出す
オニキス卿ことレオがいよいよエキドナから幹部に任命されることになり、どうやらレオはそこで自身の正体を明かす決意の模様。段取りについては苦労人シュティーナがいろいろと考えているようだが、何か最終的には彼女は空回りになりそうな予感が今から・・・。
で、それがどうなるかは次週とのようで(やけに気を持たせるな)、今回はレオの過去の回想。そこに登場するのが今のレオになるに至るアドバイスを与えた「架け橋のエイブラッド」ことインプのエイブラッドのエピソード。この時のレオはまだ誕生してそれほど経っていなかったのか、まだ感情も薄くて人生の機微なんかを理解できていないようだが、今となってみたら彼の言葉を噛みしめているという話。この間にレオが積んできた風雪をサラッと感じさせるようになってます。
人類に不要とされた時にレオはどうするか
エイブラッド自身はどれだけ本気で魔族と人類の架け橋になろうとしているのかは謎だが(そもそも最初は、適当に語りかけておけばレオにいきなりバッサリやられるのを避けられそうだと考えての行動だったみたいだし)、結果として彼は魔族と人類が共存できる道があるんじゃないかってことを示したわけになる。それってまさに今のレオ自身の境遇でもある。それにしてもエイブラッドのことが本になっているってことは、それなりの影響を社会に与えたのか。にしても本に書かれているエイブラッドの顔、レオの言っている通りひどすぎるわな。美化が行きすぎてあれだとまるっきり角の生えたエルフ。
エイブラッドが言っていた「戦いが終わったらレオの存在意義がなくなる」ってのは実は非常に重いこと。平和が訪れると存在意義がなくなって社会から忘れ去られるなら良い方で、往々にして社会の脅威として抹殺されかねない。実際につい最近にはそうなりかかったようだし。まさに「狡兎死して走狗烹らる」って奴。卓越した戦士や将軍ってのは、戦時においては役に立つし頼りになるが、平和時には役に立たないどころか、自ら戦乱を呼びかねないので疎んじられる。
とりあえず次回に、レオが魔王軍に入った真の目的を明かすというようなことを言っていたが、今回のエピソードはその下敷きになるってことだろうな。つまりはレオは今になってエイブラッドの言葉を噛みしめているわけだから、人類を救うなんて使命は投げ捨てて、自分のやりたいようにやると決めたということか。人類の側から排除されてお役御免にされたんだから、ある意味では潮時である。
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