最初の2話は「まあこんなものかな」だったんですが・・・
最後の三話をまとめていきます。10話は怪人がつまらない戦いでなくてアイドルに目覚めてアイドルを目指すというスター誕生根性もの。そう言えば昭和にはそういうスターを目指すストーリーも多かったな・・・。根性さえあれば声帯も生えてくるという無茶ぶりです(笑)。
11話はサラリーマンものに不可欠の社員旅行編・・・ってつくづく昭和だな。しかも温泉(間違いなく箱根ですね)というコテコテの3乗ぐらい。今まで幹部連中は存在はあっても全然個別紹介されてなかったから、それを全部まとめてやってきたという内容。当然声優の出演も多くなるので、その分のしわ寄せが怪人に行って、怪人で参加はレギュラーのウルフ君だけということに。そこに怪しい超マイナーヒーロー(というよりもほとんど行動形態が悪ですが)が乱入してという展開。それにしてもマイナーヒーローのくせに、中古とはいっても巨大メカ運用していたようだから、資金繰りがどうなっているのか不明。なおさすがにこいつらは元ネタはないオリジナルなのかローカルヒーロー紹介なし。
最終回でぶちかまして作品評価が変わってしまった
と大体ここまできたところで、うーん、この作品は評価Bかなということで、実はそれに則ってこの冬期のアニメの総評価にかかっておりました。この作品、基本コンセプトはもろに私の好みですし、うまくはまった回はなかなか面白かったんですが、かなりスベった回もあったので、さすがにAつけるのは・・・と思ってたんですが、見事にやられました。最終回にコテコテのお約束を持ってきて、これが見事なほどに私のツボ。結果として評価書き換えです。
国際的なメジャー組織がアガスティアに傘下に加わるように要求してくると言うM&A展開はいかにも今時のサラリーマンものっぽいんだが、そこから連中が実力行使で日本支配に乗り出し、それに対して総動員で立ち向かうという無茶苦茶ながら熱いお約束展開。ハッキリ言ってテイストは往年の東映まんが祭で昭和臭プンプンです。ですから平成生まれの若人は「けっ!」かも知れませんが、昭和生まれの私のようなものは、こういう展開されるともう精神年齢が小学生のガキに戻ってしまうので斜に構えた評価なんて出来ません。完全に巻き込まれます。
もうカノンくんがほぼ初めてではないかというようなマジモードで格好良く戦っている辺りから盛り上がってきますが、アガスティアの面々が苦戦しているところにブラックロアが参戦してきた辺りで胸熱、魔法少女までやってきて善悪混合軍団になったところで「よしっ!」。そこで敵ボスが正体を現して圧倒的な戦闘力を見せるというこれまたコテコテのお約束展開。もうダメかというところで颯爽と現れる絶対零度参謀メギストス様の格好良さ。思わず「しびれる~」。他の幹部たちも戦っている中で、さり気に登場しているのは魔法少女たちの社長では。彼もやっぱり過去があったってことか。そして「この国の底力を見よ!」で全国のローカルヒーロー&悪の秘密結社が立ち上がるなんて展開はもう「うぉぉぉぉぉ!!」という状況で、私はここでもう正常な判断力飛んでます。
明らかに見る人を選ぶ昭和テイストだが、ピンポイントでやられた
本当に昭和テイスト全開なんですわ。ほとんどマジンガーZvsゲッターロボというようなテイストです。コテコテなんですが、盛り上がらないわけにはいかないという超お約束。たとえ平成生まれの若人諸君が「なんじゃ、こりゃ」と白けていても、昭和親父は勝手に暴走気味で盛り上がってしまいます。盛り上がりすぎて涙出て来そうになるぐらい。
そして真打ちブレイダー登場に、「こんなこともあろうか」と登場する博士についに変身する黒井津さんときたもんだ。この変身シーンがまた気合いが入っているのか、黒井津さんが普通に格好いい(笑)。ダブルブレイダーという展開がこれまた普通に格好いい(笑)。そしてお約束の「私たちの力をあなたに託す」展開があって見事に最後を決める。いやー、ホントに昭和の呼吸が良く分かってるわ。この怒濤の展開は文句なしだな。
で、そのまま格好良く終わってしまったらいけないのがこの作品。しっかりとオチも付いてます。これで本当のパーフェクトですね。最後のメギストス様の「いくら資本があっても最後は人だ」というギャグスレスレの格好いいビジネス格言まで登場。それにしてもやっぱり最後まで一番良いポジションにいたのってメギストス様だわな。本作で一番おいしいキャラだった。
と言うわけで、客観的に見たらハチャメチャの何じゃこりゃオチなんですが、正直なところこれを冷静には評価できませんわ。ここまで完全にこっちのツボを突いてきたら、個人的には神回と言わざるを得ない。若い連中に白い目で見られようが、私はあくまで個人的好みに従って推します。
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