レーナの生存でこの世に引き留められたシン
途中で制作スケジュールが破綻したのか、突然にラスト放送が延期された作品がどうやら無事に大団円を迎えたようです。話自体は全く終わっていないんだが、一応は一旦決着でまあ大団円と言っても良い展開でしょう。
何とか刺し違え覚悟でモルフォを撃破したシンだが、それは同時にここまで無目的に生きてきた彼自身の当面の生きる目的を失うことでもあった。多くの仲間を失ったし・・・ここでこのまま死んでもいいと考えていたシンをこの世に引き留めたのはレーナだったと。
共和国が崩壊したところで、シンはレーナも死んだと考えていたんでしょう。二人とも表には出さないが互いに惹かれているのは明らかでしたから。それにしてもシンはレーナを見てそれと分かったようだが、シン達がレーナの顔を知る機会ってあっただろうか。
で、レーナを見かけて生きていたことを知った時に、初めてシンにそれまで押しとどめていた人間的な感情が現れてきたようです。笑顔のニュアンスが変わったことが表現されてましたね。それまでにあった無理矢理感や裏にあるどす黒いものが消えた。この辺りを表現しようとすればある程度作画がしっかりしてないと無理なので、作画崩壊状態でラストを迎えなかったのは正解だな。
本来の目的を違えていた共和国は因果応報になったようで
さらにシンは全滅したと考えていたが仲間たちも生きていた。どうやら連邦は本気で彼らを全面バックアップしたようです。どうもこの作品見ていたら、人類はレギオン共に一方的に押されていて、全く歯が立たないので自殺同然の戦術をとるしかないというイメージだったんだが、本気で全力でバックアップしたらそれなりに対抗してるんだなというのに感心した。
要は「馬鹿な大将、敵より恐い」で、共和国ってレギオンがもうすぐ活動を停止するという根拠薄弱な超楽観的観測にすがって、レギオンを叩くよりも国内体制維持のために86を殲滅する方を優先していたってことなんですよね。本来は歴戦の勇者は有効に活用するべきなのに、どうやったらそういうなかなか死なない奴らを殺せるかを考えて、全滅必至の任務まで用意していたりと。
で、共和国はそのツケを払って大損害を出して体制は崩壊したようですね。「春になったら収まる」と根拠のない超楽観論にすがって、コロナ対策を放置して利権獲得に邁進していた日本政府なみの無能さだ。そして崩壊した共和国の生存者(これを出すためにレーナが86を率いて獅子奮迅の戦いをしたようだが)は、連邦の人道的支援にすがって生き延びることに。それでもやはり頭の切り替えが出来ずに差別思想にすがっている奴もいるということまで描かれてましたが、まあそういうものでしょうね。
最初は社会設定が突飛すぎてリアリティがなという気がしてたが、連邦編になってからようやくそれなりにまともな世界になり始め、それと共にシン達の異常な思考もそれなりに矯正されて話もまとまってきたという印象。とりあえず最後はやや強引な感もあるが、一応の大団円に持ってきたようです。結論を付けるべきことに一応すべて結論を付けて、綺麗にまとめた。最後の引き伸ばしたのも結果としては中途半端なものを出すよりは正解だったな。
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