帝国より悪友が来たる
帝国からやって来た皇女はウェインの士官学校時代の友人のロアだった。当時から二人は策士として結託していたようだが、早速腹の探り合い。ロアは嫁として来たと言っているが、当然ながらウェインはそんなものは全く信じていない。案の定、帝国の皇位継承争いを巡るいざこざが背後にってわけか。
ところでニニムは何やら被差別階級の出身のようで、だからウェインと結婚することはあり得ないというようなことを言っていたのだが、ウェインはさっさと国を売り払って楽隠居したいというのが願望。それってよくよく考えると、国王とかのややこしい立場は放り出して、晴れてニニムと一緒になるって考えもあるような気がしてならんのだが。
帝国の跡目争いのゴタゴタに巻き込まれそうになるウェイン
で、何だかんだでウェインとロアが互いに腹の探り合い。ロアは帝国の内紛にウェインを引き込むつもりでいるが、ウェインの方はそんな無駄金がかかるだけでなんの得にもならないことに首を突っ込まされるのは御免。彼に「この際だからロアと手を組んで帝国を我が物に」なんていう野心でもあればまた話は別だが、とにかく面倒な王なんて仕事は放り出したいと考えている奴ですから。
何だかんだで発覚したのは、帝国内の諸国が一斉蜂起して帝国をひっくり返そうという陰謀。どうも西側の国が絡んでいる模様。そんな面倒臭いことに巻き込まれることは全力で拒否のウェインだが、ロアはどうにかして引き込もうとしている。彼女は独自の戦力を持っていないからウェインの軍を当てにしているようだが、その軍を動かす資金がウェインはないとのこと。まあ先の戦いから日が立っていないし、結局はあの戦いってギリギリ黒になるかどうかってところだったようだから。
トップがアホだったら回りは苦労する
しかしウェインとロアという二人の知謀の士の予測をも超えたのは、隣国の馬鹿王子ことゲラルトの想像以上の馬鹿さと非常識さ。何の連絡もなしに突然に訪問してくる非常識もかなりのものだが、そこで相手を一方的に見下す非常識さを示した挙げ句に、極めてアホな死を遂げてしまうという。しかしそんなアホでも王子は王子だから、これは国際間のとんでもない問題に。ホントに立場のある人間がアホだったら回りが地獄というパターンで。
で、そのアホ王子の父親の周辺には何やら陰謀の臭いが。反帝国派ってところでしょうか。帝国に滅ぼされたどこかの王国の関係者ってとこかな。かつて周辺国が反帝国で立ち上がった時、各個撃破でぶっ潰してバッサリと反逆者は処刑しちまったようだから。まあ恨みのある奴はいくらでもいるだろう。もしくは西側の国が東側に勢力を広げようと画策しているか。
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