親父と和解するルーデウス
とことんやさぐれている親父の元に現れたのは新入り。あいつ、ちょい役のくせになかなかに良い仕事をしてくれた。どうやら親父とは昔からの知り合いだったようだ。ルーデウスはまだ子供なのに、期待しすぎだというのはまさにその通り。それとルーデウスがどれだけ苦労したかということに思い至りさえしていなかったことを指摘されてハッとする親父。
そこでルーデウスに謝ろうと思い至るというところはパウロは素直ではあります。もっともいざルーデウスの前に出ると素直にはなれないというパウロ。しかしルーデウスの方が前世の記憶でパウロの内心に気づいたという。中の人はパウロよりも年上なんですよね。ずっとヒッキーだったけど、やっぱり人生の辛酸はそれなりに舐めていたから。
結局は全体として「ええ話やな」という内容になってます。ルーデウスが思いの外に人間として大きく成長していることを描いています。またギリギリの状態で追い込まれていたパウロの心情と、そこから立ち直っていく想いなどもよく描けている。
驚くほどに成長したのがルイジェルド
しかしある意味では一番成長したのはルイジェルドだろうな。最初は人間の感情について理解していなかったのだが、今はかなり深く理解するようになっている。直情径行でパウロに真っ直ぐ怒りをぶつけようとするエリスを抑えて、二人きりで話し合うように仕向けるところなんて、見ていて憎いぐらい。明らかに凶暴一辺倒の魔族ではなくなっている。また根底にルーデウスに対する深い信頼もある。また彼なりにエリスに対しても保護者的感情は持っているようだ。何よりもかつては自身の基準で悪と断じたらどんな状況でも容赦しないおっかなさがあったが、ある意味で清濁併せ呑む器量も持ち出した。今回なんてパウロの人間しての駄目さを十分理解している上で、それでいてルーデウスと話し合うことで理解し合えると判断してるんだから立派なもんだ。
とりあえずこれでエリスを送り届けた後は、行方不明の家族を探すという行動目標は出来たようである。そういう意味での話も動き出したな。
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