白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

最果てのパラディン 第2話「彷徨の賢者」

主人公の成長の影に垣間見える動乱の予感

 主人公は順調に成長を続けているようです。段々とその修行も過酷なものになっていくがそれをクリアして強くなっていくウィルというお約束描写。アンデッドではあるが超一流の師匠に育てられたので、かなり優秀な戦士に成長していっているようである。

   
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 戦闘シーンが登場したが、ウィルは魔法が出来るがそれで攻撃を仕掛けると言うよりも、相手の魔法を次々と無効化して最終的には剣で勝負をしていたというのが印象的だな。ブラッドにかなり鍛えられたから、魔法使いというよりも剣士としての資質が強いってことか。そして今回、ダンジョン攻略の褒賞として魔法を帯びた槍を入手したと。ただ一つだけ気になったのは、ウィルは剣術をブラッドからかなり鍛えられていたが、剣術と槍術は基本的に全く別物ということ。ウィルは槍術を出来るのかというのと、ブラッドがそれを仕込めるのかという辺りが少し気にはなった。ウィルとしては最終的には「魔力を帯びた剣」こそが必要だろうが。

 そして今回はウィルの修行の合間に、やはり彼の存在には隠された大きな問題があり、それが彼がこれから直面していくはずの困難につながるんだろうなということが暗示されている。恐らく大きく話が動くのは次回で、そして彼の旅立ちとなるんだろう。

 

 

王道のコテコテだが、キャラ描写がよく出来た作品である

 何やらガスが大きな秘密を抱えているようだが、恐らく同じ秘密は3人全員が抱えているんだろう。それがチラチラと垣間見えるんだが、いかにもガスらしい表現の不器用さが感じられて、その辺りがこのキャラの人物像を描くことにもつながっている。ウィルとガスは明らかに相手のことを思いやっているのだが、そのことが微妙にすれ違っている悲しさもある。「ガスのような賢い人は見えすぎるから」という話が出ていたが、その悲しさだろうな。恐らく何かの悲劇がこれから先に待っているという予感をプンプンとさせる。

 基本的に結構王道のコテコテパターンを踏んでいるんだが、まだ二話にして主人公とそれを取り巻くアンデッド達のキャラクターがしっかりと確立できているというのは、キャラ描写が実に適切で上手い。こういう基本的な点をしっかり押さえている作品って、実は最近は意外と少なかったりするんだよな。

 ところでこの作品、主人公は転生者って設定があるみたいなんだが、それが全く無意味どころか、下手すれば話の障害になりかねない。もうこれは途中で忘れて、なかったことにした方が正解だろうな。それにしても「なろう系」には転生設定を織り込まないといけないというルールでもあるのか? なんかジャンプ系漫画が「友情、努力、勝利」というキーワードに縛られた挙げ句、どれもこれもワンパターンのくだらない作品ばかりになってしまったのと同じ悪弊を感じる。

 

 

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