白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021秋アニメ 金曜日編2

 木曜の夜に放送されたアニメ作品から、昨期から続きの作品を除いた作品です。

 

 

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する Plan02 転生の取引

 勇者の暗殺を命じられた主人公は、無双すぎる勇者に対抗するために、自らスキルを選ぶことになったと。それと人間としては最高クラスの能力を与えてもらうことにしたと。通常ならこれだけで無双だが、一応勇者はそれ以上に無双らしい。

  
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 勇者が魔王を倒した後に暴走して、今度は勇者が世界を滅ぼすことになってしまったから、勇者が魔王を倒した後に暗殺して世界を救って欲しいというのが女神の要望のようだが、どうも裏がありそうな雰囲気もプンプン。その真相はいずれ勇者が登場したらハッキリしていきそうな雰囲気。主人公も単純に勇者を暗殺することでなく、勇者が世界を滅ぼすことを止めれれば良いという言質は女神から取りました。これって、後で影響してくるんだろうけど、どうせアニメはそこまではいかんだろう。

 何が起こったのかは勇者のキャラによるな。魔王を倒して慢心して自らが世界の支配者になろうとしたという類いだったら、まあ高慢で本質的には外道でしょうから、主人公があっさりと暗殺するでしょうが、そうではなくてやむにやまれぬ事情で自身の力がコントロールできなくなったって展開なら、主人公がそれを助けて世界の破滅を防ぐって展開になるんだろうな。

 女神の要望を受けた主人公はそのまま子供に生まれ変わる。誕生のところからやり直しのようです。ここ以降は「無職転生」などと違って中の人キャラは前に出さずに、転生後キャラでいっている「転スラ」方式ですね。まあこれの方が正解ではあるが、そうなったら今度はやっぱりこの作品って本来転生の意味が全くないんですよね。別に最強の暗殺者が転生したのでなくても、暗殺一族に産まれた天才少年の話で十分だから。その少年がその生活の中で自分の人生の目的を見出していく話で綺麗にまとまる。やっぱり「なろう系」だったら転生ものでないとぐらいの理由しかない気がしてならんな。まあなろう系小説は「タイトルが9割」ってとこがありますから。ネタや文章力は似たり寄ったりなので。

 そもそもなろう系で転生ものがうけたのは「実世界ではパッとしない俺も、転生したら無双でウハウハ」という読者層の妄想ニーズを満たしたからなんですよね。だから読者層の実態を反映して「オタクなニート」かせいぜい「パッとしない普通の高校生」って主人公が多いんです。それが主人公がそもそも天才とか、武術の心得があるとか、この作品のように世界一の暗殺者となってきたら、読者が自身を投影できないんで本来の転生もの需要から離れてしまっていて、もう作品としては転生設定を加える必要がないんですよね。なんか最近の転生ものは、惰性で転生設定を加えてるようにしか見えん。まあこういった辺りも「なろう系は既にオワコン」って理由の一つですが。

 

 

サクガン 第2話「GOOD DAY,GOOD BYE」

 前回の続きで怪獣に追っかけ回されていたメメンプー達が、新しいメカを駆使して怪獣から逃げ回り、ついには策略で怪獣を撃退するって話。穴で落とすってのはお約束の戦術なので、これは何となく想像はつきましたね。

     
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 ほとんど逃げ回っているだけの話でしたが、なかなか良いですよ。とにかく良く動く。これだけ動かして破綻しないのは作画が頑張ってるな。テンポも良いし、メメンプーとガガンパーのやりとりも小気味よい。勢いで突っ走っているように見えて、どうしてどうしてよく計算してある。

 そしてここで怪獣を倒したのをきっかけとして、彼等の外世界への旅立ちとなる。しかしあの明らかに「目的を持っている」としか思えない怪獣の出現と言い、何やら背後に大きな陰謀の臭いもと、なかなか気を持たせる内容を散りばめてあります。

 今のところは外に出る目的は、メメンプーの「外の世界をこの目で見たい」というのしかないですが、その内にこの世界自体にかかわる大きな動きに巻き込まれるって展開になるのは必然でしょう。冒険活劇になることが予想されます。主人公のキャラも立ってるし、描き方も過不足なしというところで、今後に期待かな。


 以上、とりあえず上記の2作品をチェック。「サクガン」は最後まで完走しそうな可能性が高い。一方の「暗殺者」はもろになろう系のお約束パターンが正面に出てきました。今のところどうも「精霊幻想記」の影がチラチラし始めて非常に不吉な予感が漂っています。いかにもなろう系らしい陳腐な展開に陥るようなら、落ちる可能性がかなりあります。