白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021秋アニメ 水曜日編

 火曜の夜に放送されたアニメ作品について。目下は以下の2作。

 

 

takt op.Destiny 第1話「指揮-Creed-」

 音楽のあるところに現れて根こそぎ滅ぼしていく彼等のために、音楽が消え去ったというJASRACに支配された地球・・・ではなくて、何やら宇宙から飛来した生物の猛威の中で辛うじて人類が生き延びた社会の模様。で、なぜかは知らないが彼等は音楽を憎んでいるので、音楽のあるところには必ず現れて著作権料をふんだくる・・・でなくて、攻撃をしてくるということらしい。

   
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 それに対抗できるのは、何やら特殊な能力を持った美少女。これも謎の存在だが、どうも敵が現れる前に宇宙から飛来した物体と関連しているのだろう。そして彼女を「指揮」するコンダクターと連動しているようで、どうも彼女たちがどれだけ戦えるかは、コンダクターの体力にもかかっている模様。しかしどうもコンダクターであるタクトが非常識な上にひ弱で、しかも戦う美少女(「ムジカート」というらしい「クラシカロイド?」)の方もエネルギー効率が超悪いので、戦闘能力はかなり限定されるようである。

 というような世界の状況をバラバラと語ったのが第1話というところ。そもそも敵生物(「D2」と言うらしい)に目的があるのか、それとも単に本能的に行動しているだけなのかも不明なのだが、それと戦うムジカートの存在も謎である。ただどうも音楽がキーワードにはなっているようで、今回のヒロインも「運命」だそうな。

 アクションシーンのキレも良く、作画も安定している。また無茶苦茶なキャラばかりだが破綻はしておらず、凸凹トリオの珍道中ぶりもなかなかに楽しい。そして鍵となる音楽もクラシックの名曲使用(今回は「運命」の第4楽章とか「月光」ソナタ)だけに、そこでヘッポコな腰砕けはしない。と言うわけで一風変わったアクションものとして展開する模様。今後に注目。

 

 

テスラノート 第1話「『新米スパイ』についての考察

 天才テスラが残した水晶によって起こされる災いに対処するために、密かに活躍しているスパイ組織という最近は珍しいスパイアクションものらしい。

     
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 話自体は悪くない。キャラの配置にしてもコテコテではあるものの特に難はない。また忍術を仕込まれた少女というヒロインは荒唐無稽ではあるが、そもそもの話自体が荒唐無稽なのでそれは問題なし。このヒロインの牡丹と脳筋馬鹿っぽいクルマの二人が、互いに反発しつつコンビとして活躍していく姿を描くんだろうことは予想が付く。ある意味では典型的な王道展開と言える。

 というように話の設定その他にはとくに問題はなく、それなりに面白くなる可能性のあるところなのであるが、それらをすべてぶち壊しにしそうな最大かつ致命的な不安要因は作画。今時流行の3DCGを使用なのだが、それが「今時、こんな安っぽいCGを使うか?」と呆れるぐらいに雑。ヒロインのキャラは人形のようにカクカクとしてるし、動きもギクシャクとしてわざとらしい。しかも漫画的な表情を無理やりに3DCGキャラと重ねようとするシーンがあるので、それがチグハグで不自然極まりない。これなら普通に今まで通りのタイプのアニメにしておけばそれなりの作品になったのに、なぜあえて3DCGキャラを使うのか? 今回見る限りでは、3DCGを表現の手段として用いたと言うよりは、手抜きに使ったというようにしか見えない始末。

 正直なところ、かなり残念な作品という印象を受ける。どうやら原作コミックがあるようだが、もし私が原作者だったら「なんてアニメにしやがったんだ!」と怒り心頭になりそう。しばらくは様子を見るが、今回1話を見ているだけでも正直なところかなりしんどかったので、通常は一番作画面では力を入れてくる第1話でこのレベルだと、今後かなりしんどくなることが予想される。と言うわけでいずれ我慢できなくなって落ちるのではないかと言うのが本音。無印セーラームーンの作画崩壊時代を体験していて「アニメは作画だけではない」を一応の信条にしている私をここまで追い込むとはかなりである。


 以上の2作品。最初のクラシカロイド・・・じゃなかった、タクトは最後まで付き合うのではと言う気がするが、テスラはあの作画では早晩落ちそう。低レベルの3DCGは中途半端に質感がリアルなせいで、作画の乱れたセルアニメよりも見ていてむしろ不快感が強くなるということを改めて認識した。