これから出るか出ないか不明な第2期に対する準備ですかね
今回は締めと言うよりも、出るか出ないか未定の第2期のためのつなぎってニュアンスが濃厚だな。完全に第1期で終わらせるつもりなら「僕はこの世界で頑張っていく」という形で、この世界から改めて貫之や奈々子のリターンマッチに協力するって展開に持っていくだろうから。既にシノアキはその線で動き始めているわけだから。明らかに第2期に含みを持たせて「実現するためにみなさまの厚いご支援を」って魂胆が透けて見える。
なんかあのロリ先輩が登場しましたが、容姿とかから見て完全に魔法少女です。しかし実際のところは彼女の姿は一種の象徴であって、彼女が特別な能力を持っているとかそういう扱いではないでしょう。もしくは彼女はこの作品の作者の化身というメタ的ニュアンスを持たせているって可能性もある。最初から謎の存在的扱いで登場させてましたが、こういう形で使うとは。もっともこうでもしないとあまりに分かりにくいですから。天の声的な神々しい出し方は明らかに作品世界に反しますし。
恭也はチートになったんでなくて、実は最初からチートだった
とりあえず恭也はこちらに戻ってきたことで「自分が何とかしないと」という考えに潜む驕りのようなものに気づいたということです。本人が無意識に「自分が何とか助けないと彼等はダメ」という考えに取り付かれていた。その結果として無自覚に自身の有能さを彼等に見せつける形になり、彼等の自信と作家性を打ち砕くことになってしまい、それが端的に登場したのが貫之のパターン。河瀬川の形を取って、恭也に「もっと他人を信じて頼れ」と教えたという展開になっている。
とにかく恭也が有能すぎるんです。自身で「チート能力ではない」と言ってましたが、彼の場合は転生でチート能力を得たわけでなく、元々が実はチートだったというのが実態。最初の世界ではその自身の能力を活かす機会と、何よりそうする熱量を失っていたことから、次々と逆境に妨害されて結果としては大失敗人生になっていた。それが機会を得たら自身の能力を開花させることになったという話であります。
ただ彼の能力って作品制作には不可欠なんですが、つまりは裏方能力なんですよね。早い話が超有能なマネージャーもしくはプロデューサー。そういう点でクリエイターとしての能力は実は決して高くない。だからシノアキ、奈々子、貫之のような優秀なクリエイターとしての才能とコラボで進化していくしか道がない。
「熱量」という言葉を恭也が使ってましたが、実際に年を取るにつれてなくなっていくのがそれなんですよね。熱量がなくなることが精神の老化でもある。自身の限界を感じたり、社会の理不尽な介入で前途が閉ざされたり、そのような世の中に諦めて妥協したりとかを繰り返していく内に、自身の中の熱量がドンドンと冷めていって、最後は化石のようになって状況に流されてしまう。そういうのを「大人になる」って表現する場合もあるんだけど、ジジイには胸に刺さるキツい現実だわ。
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