白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

白い砂のアクアトープ 第2話「濡れるのも仕事のうち」

鉄板な展開だが、美しく描いている

 ストーリーの展開は見えたな。今回なんかはお約束もお約束のガチガチ。ほとんど逃避的に水族館に転がり込んだ風花だが、元々は行くところがなかっただけで殊更に水族館に対して思い入れはない。それだけにいきなり仕事で大失敗。しかしそうこうしている内に、くくるが必死になっているその想いの源が分かって、彼女と深い心の交流をすると共に、風花自身が新たな夢と前向きな心を取り戻してくるという。

     
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 コテコテにお約束の話なんですが、描き方が美しいです。この作品、美しい作品というのはいろいろな意味があって、まずは単純にヒロインの作画が美しい。これはやはり基本的に萌え系アニメの系列に属しているだろう作品としては、最低限に死守しないといけない基本ライン。そこのところはキチンと押さえ てきているようです。もっともそこだけで力尽きてしまうような作品も多いのですが。

 

人間のドラマをキチンと描いているのがポイント

 そしてドラマの描き方が美しいですね。今回の内容だけで、前向きで必死な性格のくるるのキャラが良く分かるし、基本的に人を思いやれる優しい少女だが、それ故に芸能界には向いていなかった風花のキャラもよく見えてくる。さらには彼女たちを取り巻く様々なキャラの人物像もなかなかにリアリティを持って描けている。この辺りの人物の描き方が「美しい」。

 さてこれから、彼女たちが水族館を建て直す「一夏の奇跡」の物語になるのか、それとも現実に打ちのめされることになるが、それでも明日に向かって歩き出そうという物語になるのか。どっちになったとしてもそれなりのまとめ方があるが、ここまでの描写を見ているだけで、まあ余程バカしない限りはそこではしくじらないだろうという気はしますね。萌え系系列のアニメでも、主人公がウハウハハーレムという作品は馬鹿らしくて見る気がしないが、こういう人間ドラマは見る気がするな。

 

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