白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021春アニメ 日曜日編

 この春アニメの土曜日夜に放送された分です。なお一歩先に始まった「Vivy-Fluorite Eye's Song-」は既にしばらく様子見と言うことで別項目を立ててます。

 

スライム倒して300年、知らない間にレベルMAXになってました 第1話

 20代で過労死でなくなってしまった女性が、神様の配慮で不老不死能力を得て異世界でスローライフを送ろうとするが、300年間日課としてスライムを倒していたら、本人が自覚しないままにレベルMAXの最強魔法使いになってしまったという話。

 もっとも明らかにここまでで「自覚しないが滅茶苦茶強い女魔導師」というキャラを作るまでの明らかに無理矢理な設定。だから作品自体でもこの辺りの過程の描き方は極めて雑(笑)。まあ他の転生ものでも、結局は転生云々の話は「キャラ作りのためのお約束ですから」という感じであっさりとした作品が多いですから。会社から帰った途端に問答無用で異世界召還された「聖女の魔力は万能です」なんて典型的だったな。

 にしても野暮を承知であえて現実的に考えると、いくらスローライフって言っても300年もすれば普通は刺激なくて退屈してしまいます。私なんかだったら3年も持たんな。それと不老不死って実際にはしんどいと思いますね。私なんかも不老は良いけど、不死はそれはそれでしんどい気がする。それでなくても今でも、こんなクソゲー現実なんていっそ終わりにして楽になりたいなんてことはしょっちゅう頭過ぎってるから。だから現実的なところで私の願望はせいぜい不老長寿です。しかし実際は今の環境で不老長寿を得てもろくでもないことに遭遇する確率が増すだけの気がする。だからそれならいっそ、無双状態で異世界に転生したい・・・ってこれは今時のオタの妄想そのもの。まあ私も私のことを一途に好いてくれる美少女ヒロインでもいたら人生も変わったでしょうが・・・。

 で、この作品の見所はこの無自覚系のヒロインが、否応なしに騒動に巻き込まれていくドタバタを描くというところなんだろう。とにかく本人には特に野心も何もなく、前世での反省からとにかくゆったりマッタリとスローライフを送りたいというのが願望なのに、とにかくとんでもない能力を持ってしまっているので、回りがそれを許さなくてそこに葛藤がってことになるのは大体想像つく。とりあえずの第1話は、勝手に押しかけてきたドラゴンのライカが美少女になって住み込みメイドになったという話だが、OPやEDを見ていたら、今後この手のキャラがワラワラ増える展開か。

 まあ目下のところ、例によって笑える話ではないのであるが、マヌケなノリがまあそれなりには楽しい。というわけでしばらく様子見でしょう。懸念事項は何となく腑抜けた感があるので、ダルい話になる危険。

 

86-エイティシックス- 第1話「アンダーテイカー」

 なんか世界観が今ひとつしっくりこないが、要は戦争が続いている国で戦争は無人兵器で行われていることになっているが、実はその兵器は無人ではなくて奴隷のように人間扱いされていない連中が操縦している有人兵器ってことか。

 で、指揮官はどうもそれらの奴隷と感覚リンクして指揮している模様だが、その辺りのことは今ひとつ分からない。それと操縦士にされてる彼らが元々人間だったのが奴隷として機械の一部扱いされているというように見えるが、実はそもそも彼らは元々から兵器操縦用のデバイスとして設計された人工物という線もある。しかしそのあたりはとにかくまだ全く示されていない。

 とりあえずヒロインはこの状況に疑問を持っていて、出来ることなら彼らを犠牲にしたくないという意識は持っているようだが、この社会自体を根本的にひっくり返そうとかいうところまではまだ意識は及んでいない模様。まあ通常の展開だと、彼らと直接に触れあうことが多くなるうちに彼女は感情移入するようになり、ついにはこういう体制を強いている社会機構そのものに矛盾を感じて最後は革命的なことを起こすという展開がお約束なんだが、何となくこの作品はそういうお約束展開は踏まない気がする。

 とりあえず今回はヒロインが、今まで指揮官をことごとく正常ならざる精神状態に追い込んでしまったといういわく付きの部隊の指揮官になることになったというところから。部隊には一癖も二癖もありそうな連中が揃ってましたが、第1話で早速一人がご臨終してましたね。この調子でドンドンと使い捨てにされるのが彼らの運命の模様。何かこの辺り、やっぱり今時でいかにも乾いた作品ですね。とりあえず様子見ですが、その乾き具合があまりに私に違和感を感じさせるものになったら落ちるかな。

 

シャドーハウス 第1話「シャドーと生き人形」

 とにかくわけの分からん話だ。シャドーと言われる影のような本体の一族が暮らしていて、恐らく彼らの姿を映したと思われる生き人形と呼ばれる連中が彼らの世話をしているという妙な館の物語。

 ただ生き人形と言っているが、彼らは腹も減るし食べないと倒れるようだから、人形と言うよりは人間そのものに見える。元々人間が何らかの形で自分が人形だと吹き込まれているという可能性もある。実は彼らの方が本体で、シャドーは何らかの形の彼らの投影って言うのがありそうな展開だが、とにかく一応は完全に別人格を持っている模様。

 どういう世界観の話であるかも不明なら、話自体がどういう方向を目指すつもりなのかも全く不明。今回なんかはキャラが真っ黒ということを除けば基本的にはノホホンとしたヒロインの物語なのだが、真っ黒キャラが登場することで常に違和感と不気味さが漂うという独特のテイスト。しばらく様子見だが、ただこの手の話は往々にして作者だけが自分で納得している自称斬新作品に堕ちる可能性が高いので、そういう展開になりそうだったら私はオチるかな。


 というわけで一週間の作品が一回りしましたが、月曜日が1本オチて様子見が2本、火曜はなしで水曜が様子見3本(内2本は最後まで付き合う可能性が高い)、木曜が様子見2本で金曜はなし、土曜は昨期から続いている「バック・アロウ」にしばし様子見の「SSSS.DYNAZENON」で2本、日曜は上の3本に「Vivy」で様子見が4本。例によって曜日ごとの偏りが極端。また今期は今のところはとりあえずの本数がかなり多い。最終的に何本完走になるかは不明だが。で、「バック・アロウ」と第2期の「モリアーティ」を除くと後はどれが本命になるかは目下のところは全く読めない(全滅の可能性もあるし)。強引に予想すると本命「SSSS.DYNAZENON」、対抗「Vivy」、大穴「86」って辺り。転生ものは良く悪くも平均点で正直いささか食傷気味。