白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

オルタンシア・サーガ 第11章「攻防~信念の果てに~」

いよいよ王都決戦

 王女軍はいよいよ王都に迫ってきております。いきなり呉鳳明が持ち出しそうな巨大な井闌車を用いての城壁攻めなんかをやっております。いつの間にやら王女軍は圧倒的に優勢になっていて、王都の制圧自身はさして問題なく実行された模様。

     
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 そこにしれっと乱入してきたのが不死身の英雄こと、先週に前代未聞の無能っぷりをさらけ出していたフレーゲル君の爺さんのバルトハウザー。「生きてたの?」ってのが大方の反応だが、ハイジことアーデルハイドなんかはもろに声に出してそれを言ってしまっている。しかしさすがに不死身の英雄とのことで、崖から突き落とされたぐらいじゃ死なんらしい・・・普通は死ぬだろ。

 

存在感の消えたカメリアに、ここに来て登場のゲオルグ総長、そういや黒騎士もいたな

 で、大軍を引き連れていたはずのカメリアでは、なぜかルギスがあの凶暴なガキ共だけを連れて王都に潜入の模様。恐らく教皇と決着をつけるつもりのようだが、相手は既に超常的な力を手に入れていると踏んでいるのか、どうやら命を捨てる覚悟のようで後のことはロイに託している。ということはこのイケメンは本筋に絡む余地なしか。何か最後まで扱いが中途半端だったなこのイケメン。

 そして王女軍は王城突入に挑むのだが、そこに立ちはだかるのはモーリスおっさんのダチのゲオルグ総長。「たとえ私が倒れたとしても・・・」とか「最早私に思い残すことはない」と冒頭で散々死亡フラグの台詞を自分で喋りまくっての満を持しての登場だし、モーリスのおっさんも「友情と信念は別物」なんて格好つけているんで、友人として決着をつけるのかと思っていたら・・・後半が始まったらあっさりと教会騎士達と共に降伏してモーリスのおっさんと茶飲み話モードに突入しているのには思わず肩が落ちた。まあこの作品って、基本的に甘々ですから、あまりハードな展開はしないとは思ってましたけど・・・。そもそもゲオルグ総長、騎士のくせになぜか武器はショートソード使ってたようだし(普通騎士なら最低でもバスタードソードでしょう)、実は軍師タイプで戦闘能力はサッパリなのでは。モーリスのおっさんを向こうに回して「力尽くでも」なんて格好付けていたが、戦斧振り回すワイルドなおっさんとならそもそも勝負にもならなかったのではという気がする。

 一方でアルフレッド達はゲオルグ総長の作戦で分断された味方の兵を救出している時に仮面の黒騎士ディディエに遭遇、ハイジ以下デフロットも含めての3人がかりで立ち向かうが歯が立たない。アルフレッドの危機に王女まで乱入するがこれは無謀、王女をかばったアルフレッドにディディエの一撃が・・・というところで王女の謎の力がご都合主義で炸裂、ディディエがそれに戸惑うところにアルフレッドの一撃が。深手を負ったディディエはとりあえず異次元逃走。ハイジは「あれだけの深手では助からんだろう」なんて言ってますが、明らかに闇の力を持ってるっぽいのでそう簡単にはくたばらんでしょう。実際、真の黒幕はこいつって可能性はかなりありますし。

 

ようやく語られた教皇の過去

 で、おっさんの茶飲み話によると、ゲオルグ総長は教皇のバルデブロンとは共に司祭であり(やっぱりこのおっさん腕っ節はダメだな)、バルデブロンはその頃からいずれは教会のトップと目されていたとのこと。だけど実はあいつは裏で気に入らない奴は密かに始末とかしてたんだよね・・・って話。それならなんでそんな奴のために戦うんだと、これはモーリスのおっさんでなくても呆れる話。純粋にバルデブロンを信じている部下達を見捨てるわけにはいかなかったなんて言ってるけど、結局は無駄に血を流しただけじゃん。

 そしてそれに応じてバルデブロンの回想という形で初めて明かされる彼の過去だが、どうやら彼は母は王宮に仕えていて、彼は王の血を引いているが、彼と母は王宮を追われて貧困のうちに母が死んでしまったらしい。だから彼はオルタンシア王家に強烈な恨みを抱いていて、国を乗っ取ってやろうと考えらしい。なるほど、王の血を引いているということは、一応は彼にも継承の大義名分は皆無ではないわけか。それにしてもまたもや前の王がしでかしたことが原因である。出来の悪い親父の尻ぬぐいさせられる王女様も大変だ。それにしても宮女はお手つきにしてあっさり追放したのに、后が死んだら邪法を使ってでも復活させようとしたのか。全くもって女たらしなのか純愛タイプなのか分かりにくい男である。

 

王宮に潜入する連中に迫られるそれぞれの落とし前

 王宮にはまだ狂信者と化している騎士達が教皇を守って立て籠もっているので、アルフレッド達は王女と共に地下水路から密かに潜入して教皇と直接対決を目指す。しかしそこに現れるゾンビ達。ここでゾンビに対してトラウマのあるデフロットが「ここは俺に任せろ」という黄金展開。彼的にはゾンビとの落とし前もつける必要があるらしい。しっかりこの期に及んでもハイジを口説いているが、例によってこれはあっさりとスルーされるのはお約束。

 そして王宮内に潜入したアルフレッド一行を待ち受けていたのは、何とアルフレッドの親父のフェルナンド、一方後方に人の気配を感じてそちらに向かったハイジはやはり父であるレオンと遭遇していた。どうやらバルデブロンはネクロマンシーの術まで身につけたか。ハイジとアルフレッドという共にいささかファザコンの気のある二人が、とうとうここで父親を乗り越えるという落とし前をつける必要に迫られた模様。

     
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 ハッキリ言ってここに来て話がドタバタしすぎ。1クールでまとめないといけないのに、そもそも序盤にモタモタしすぎというペース配分の悪さ(最初の数話は1話でまとめることも可能)のせいで、ここに来て急にキャラがバタバタと増えていき、話も「実はこういう話だったんです」って付け足しのようなものが後出しで出て来ている。私だったら5話ぐらいでもう王女軍旗揚げに持ってってるな。今となっては第2話に第6話は完全に不要、第3話に第4話辺りも他を含めてアレンジすれば、もっと簡潔な表現が可能。何か序盤は無理矢理に話を引き伸ばしているような内容の薄さに対して、後半になってのこのドタバタな展開って、設計がまずすぎる。結果として後半になって急に脳筋系マッチョ親父がモブ扱いでゾロゾロ参戦って・・・。それはともかくとして、ルギスやロイまで最終的にモブになってしまいそうなのは完全に大失敗。まあ次回辺りでドタバタと大団円なんだろうな。

 

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