白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

無職転生~異世界行ったら本気出す~ 第2話「師匠」

主人公が過去のトラウマを振り返ってるんですが

 転生無双ものの「古典」の第2話です。主人公が魔術師ロキシーの元で魔術を習得して、いよいよ卒業という展開。そしてその過程で主人公がひきこもりになった過去のトラウマを克服することにという成長ものになっています。

     
原作小説はかなり先まで行っている模様

 そこで過去の主人公の姿が描かれるのですが、これってあからさまに映像で出すのはどうかな? と思ったんですが。正直なところ「30代の引きこもりキモオタ」というように言葉で言われたらそれまでなんですが、それをあからさまに映像に出されると醜悪で、現在の転生後の中の人としてのギャップが大きすぎる。そのことがむしろ感情移入を妨げそうなんですが。この作品が、外観は無垢な少年なのに中身はエロい中年のオッサンというギャップを前面に押し立てるエロ漫画だったらそれで良いんですが(たまにそういうシーンは入りますが)、どうもそれがメインの作品でもなさそうなので。

 

美しい現実逃避ファンタジーで良いような・・・

  単に台詞で「オレの学生時代は地獄だった。冴えない風貌のオタクというだけでクラス中からいじめられた。そしてオレはそのまま引きこもりになってしまった・・・」というような台詞をメインに主人公の姿をあからさまに出さないような格好の方が、作品としては良かった気がするんだが。残念ながら主人公のエピソード自体はありふれた話ですから(というのがいかに今の世が病んでいるかの証明でもあるが)。少なくとも私が作ったとしたらそうしたな。やっぱり小説で文章で描くのと、あからさまに映像で描くのではインパクトが変わってしまうので。

 とりあえず主人公は5歳になるまでに師匠のロキシーによって魔法の基礎は徹底してたたき込まれたようです。ロキシーも言っていたように潜在的な魔法力は主人公の方が強いので、魔術師の技倆としては既にロキシーを越えているでしょう。ただそれでも自身のトラウマまで解消してくれた(彼女は意図していたわけではないが)ロキシーはやはり主人公にとっては大切な師匠ということになるでしょう。この辺りの心の交流のようなものは普通にしっとりと美しく描いている。だから正直なところのさっきの「中の人は中年キモオタ」というのは邪魔なんです。それはあくまで設定としておいておけば良いだけの話なんで。この世界での経験を積んだ主人公が、元の世界に戻って自分をいじめた連中を見返してそっちの世界でも堂々と人生やり直しするという展開だったらそれでも良いんですけど、この作品、まさかそういう展開はしないですよね? 所詮ファンタジー世界に限った話なんなら、ファンタジーで徹底逃避で良いんでは?

 

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