いよいよ神の域に到達しつつある主人公
まあ予想通りの安直さでテロリスト騒動は決着です。無双の達也様がテロリストを瞬殺してしまうのはともかくとして、崩壊寸前の巨大タワーを丸ごと修復してしまうって、ついには神に等しい所行まで実行してしまいます。正直なところ主人公が無双すぎて既にストーリーを破壊しかねないレベルに到達してるのですが・・・。この作品の今後の不安って、とにかく登場人物が増えすぎてゴチャゴチャしてストーリーが分かりにくくなると共に、必然的に各キャラクターの描写が薄くなってくるから、そのことがさらに各キャラクターの判別を困難にしてしまうってところが一点。さらにはこの無双すぎる主人公を作品上整合持って扱うのがだんだんと困難になってくる(どんな窮地を持ってきても「そんなもの全知全能で無双な達也様にかかったらチャッチャと解決でしょう」って話になってしまう)というのがもう一点。
それにしてもあのタワー、とことんまでの駄目建築っぷりが光りますね。捕らえられたテロリストが最後っ屁のごとくに「共鳴によるタワー自体の破壊」って大技を繰り出しますが、そもそも共鳴が使用できるってことはあの建築自体が構造に致命的なダメージを与えうるレベルの固有共鳴周波数を持っていると言うことで、そんな固有値ピークが出ない設計にするというのは巨大建築の基本中の基本(ピーク自体をなくすことは出来ないが、分散させて鈍らせるということは可能)。それさえも考慮されていなかったって、あの建築を設計したのはどんなヘボ建築家なんだ? もしかして非実用建築の大家である安藤忠雄先生か?
結局はその駄目建築ぶりは、無双を通り越していよいよ全知全能の域に到達しつつある超越者・達也様がチャッチャと解決してしまった。しかしあそこまで出来るんなら、既にテロリストがタワーを占拠した時点で、「ピコピコピコ、テロリストは管制室内に5名、直ちに処分・・・処置完了」で終わらせられそうな印象を受ける。だから無双すぎる主人公って最大の作品破壊要素になるってわけです。
で、テロリスト事件はあっさりと解決して、学園は平穏に新学期を迎えて新入生も入学してくる(ここでまた必然的にキャラがさらに増加することになる)。こういうのがあったら「そう言えば、達也達って高校生だったんだっけ」って、あまりに浮き世離れしすぎているせいで忘れかけていた大本の設定を改めて思い出すことになる。あまりにも超越しているせいで、ただの高校生ではなくて政府の特殊エージェントとか、かつてのラグナロクを生き残った古代の神々とかの方がよほどリアリティのある設定に思えてきた。
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またいずれ第四部も登場するんでしょうが、主人公がここまで来ると、少なくとも相手が人類で有る限りはもう主人公を脅かす存在を設定できないので、主人公を脅かせる存在を登場させるなら、宇宙を支配することを目論んで彼方から飛来した恐怖の帝王とかいうレベルにする必要が出てくる。地球の運命を背負ってそれに敢然と立ち向かう達也様・・・これじゃアベンジャーズだ。だけどこのまま行ったら行き着く先はアベンジャーズかドラゴンボールにしか見えない。
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