白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

神様になった日 第5話「大魔法の日」

今回は泣かせに来てましたね

 うん、まいった。まさかこの作品で泣かされそうになるとは。

 地雷美少女こと伊座並さんですが、彼女には彼女以上に危ない父親(庵野秀明にしか見えないのだが)がいたと言うことで、この父親が妻を亡くしてからヒッキー同様になっていたということか。こりゃ母親を亡くして一気に性格が暗黒界に転落した伊座並さんといい、ショックが大きすぎたのは分かるが、極めて不健康な家族だ。

     
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 そしてこの親父を例によって成神がひなと共にドタバタやりながら引きずり出すんだけど、ここでのドタバタを見ていたら、元々はこの親父はそんな陰気な性格でないってことがよく分かる。非常にマニアックではあるが多分元々は結構行動的なんじゃないか(つくづく庵野秀明にしか見えないんだが)

 その彼がどうやら妻が残したビデオメッセージを持ってるらしいんだが、なぜか伊座並さんにはそのことを語っていない。しかしそれが伊座並家の今のグダグダ状態の原因になっていると感じたひなが、まあ滅茶苦茶な方法ではあるが世話を焼いて、伊座並にそのビデオメッセージを見させる方向に持っていったというわけか。

 恐らく父親が彼女に見ていなかったのは、彼女は絶対最後まで見たがるに決まっており、彼は妻が「最後まで見たらこのビデオを処分することになる」というのが気になっていて、それが出来ないがために最後まで見ていなかったということだろうな。妻のことを絶対忘れられないし捨てられるわけもないという気持ち。しかし伊座並さんはそれでも乗り越えていきたいと考えた。

 ビデオメッセージに残っていたのは伊座並さんが成長した未来を想定しての母親からのメッセージだった。これが「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のエピソードを思い出して私の涙腺が緩みかけたポイント。やっぱり子どもを置いて先立つ親としては、その後の子どもの成長が一番気になるんでしょう。

 そして最後に彼女が残した大魔法は、自分のことは忘れて夫にはよい人を見つけて一緒になって欲しいと言うことと、娘にはいつまでもくよくよしないで前を見て進んで欲しいということ。残された家族に対する思いが詰まっていて、これまた完全に落涙ポイントです。「そんな、忘れることなんて出来るわけがない」と言いつつも、前を向いて生きていくことを決意した父親と、明らかに性格まで変わったんじゃないかと思われる伊座並さん。うん、こうなったらもう地雷脱出、彼女にしても良い(笑)。

 前回はドタバタが外しすぎだと感じたのだが、今回は一転してのハートウォーミングな泣かせストーリーを持ってきましたね。しかしこの千載一遇のチャンスに告白できない成神は相変わらずヘタレだ。彼女が前向きな気持ちになっている上に、成神に感謝をしているこの時、ズルなんかでなくて正真正銘のチャンスだったんですけどね。だけどこの時のひなの動揺って何なんだろう。それとやっぱり世界の終焉は間もなくということになってるんですよね。

 

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