白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

100万の命の上に俺は立っている 第5話「命の価値は」

箱崎さんの葛藤

 今回のサブタイトル見た時、エヴァかと思いましたが、実際は「奇跡の価値は」と「命の選択を」はあるけど「命の価値は」はないんですよね。で、今回のこのタイトルは箱崎さんについてのお話ってことか。

 毎度おなじみの各キャラが自身の暗黒面を吐き出す開始シーンは、今回は箱崎さん。体の弱い彼女は自分が誰の役にも立っていないという感覚を持っていて、だからこそ薬剤師を目指していたということか。ここに登場しているキャラの中では一番まともな人って感じではある。ただまともな人だから、こういうまともでない世界の中では浮いてしまう。まあ彼女の場合は「闇」ってよりも「悩み」と言ったほうが良い。

 そりゃ普通は嬉々として殺人なんてできるわけないんです。最初から嬉々として人殺しするような奴は桓騎軍にでも入れと河了貂も言ってます(笑)。人(この場合はゴブリンでしたが)を刺し殺したりしたら、そりゃその感触が手に残るってぐらいのショックはあるのが普通でしょう。それに目の前で人が惨殺されたのを見りゃ食欲ぐらい失せるというもの。四谷は「どうせゲームのようなもの」とドライに割り切って殺しをしているようですが、彼女の場合はこの世界も一つの世界と考えているから、できる限り殺しはしたくないという意思がある。しかし戦わない戦士は役に立たないというジレンマ。

 

それにしてもわざとと思えるジョブのミスマッチ

 ゲームマスターは何を意図してかは不明だが、わざと適職を外してきている感じですからね。戦士は箱崎さんでなく新藤さんの適職だし、箱崎さんだったら適職として僧侶しか考えられない。四谷はシーフあたりかな。

 それにしてもロングソードを持ち上げる腕力さえないってことですが、ショートソードはどうなんでしょう? 彼女の装備品のメニューがくるくる回った時にショートソードが選択項目にあったようですが。そもそもロングソードは大の男でも鍛えてないと自由に振り回すことはまずできない代物です。日本刀でも大概重いのに、ロングソードはその比でないですからね。日本刀は鎧の隙間を切り裂く武器なのに対し、ロングソードは鎧の上から重量で叩き潰す武器ですから。そういう点では武器として包丁振り回している四谷は最適な武器をチョイスできている。

 にしても「四谷が自分だけレベルアップしてる」と言われているが、確かに他の連中は最初の職業から全く動けていない(箱崎さんに至ってもレベル自身もほとんど上がっていない)のに対し、四谷だけは三つ目の職業に行ってるですね。しかも農民はともかく、料理人のジョブは意外と使えてる。今度は生物系魔法使いのジョブでヒーリング能力まで持ってしまったようだし。

 で、今回の話はクエストの目的自体がとんでもないダークなものである可能性が出てきたってことか。四谷はためらわずに何でもするだろうけど、また箱崎さんにはつらい展開になりそうだな。