超ダークな過去の続き
とてつもないダークなストーリーである過去の経緯についての続編。アルバートの心の奥底にあるドロドロしたものがウィリアムによって触発されてという展開です。
それにしてもアルバートの弟の本来のウィリアム君って絵に描いたようなクズでしたね。まああの親にしてこの子ありというところでしょうか。まあ差別主義者なんてクズしかならないものですが。だけどこの家庭だったらこうなるのが普通でしょうね。アルバート君があまりに突然変異の異常者。心の奥底にある崇高の考えを実践するために、とてつもないダークな悪に走ったということか。要するに真の意味で革命家なのは彼だったんだな。まああのウィリアム君の兄貴だけあって、潜在的に攻撃性と残酷性は秘めてたんかもしれませんが。
にしても主人がバリバリの差別主義者なんてのはありがちですが、使用人に至るまでそれが徹底してるってのは、まあなんと模範的な貴族家庭ですこと。こんな家にいたらアルバート君もおかしくなるってものです。純粋すぎる彼が、どす黒すぎる家庭環境でぶっ壊れてしまった結果、家庭内暴力を通り越して一気に家族から使用人まで含めて皆殺しってんだから、とにかく極端。
そしてその超ダークな世界をあくまでド耽美的に描く。これがこの作品の最大の特徴ですか。悪の美学ってよりも「美しい悪」を描こうって感じ。しかしド耽美でありながらかなり血生臭い。かなり独特の世界であるが、危ない魅力のある作品ではある。
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