白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

魔女の旅々 第3話「花のように可憐な彼女」/「瓶詰の幸せ」

エグイ話から浮かび上がってきた違和感の正体

 今回は2本併せてやけに心に突き刺さるようなエグイ話を持ってきていた。この作品はどこを目指すのかが今一つハッキリしていなかったが、どうやら異世界奇譚的な展開にするつもりなのか。いわゆる「キノの旅」とかの路線か。

     
原作は小説のようですね。この作品

 もっとも寓話というには後半は教訓的なものを持っているが、前半はそれのない単にエグイだけの話。しかし今回、以前から感じていたしっくりこない違和感の原因が何となくわかったような気がする。つまりはこのヒロイン、滅茶苦茶情が薄いんだ。前回はそれにも関わらず情の話だったので、何となく話が上滑りで違和感あったんだ。今回、あの状況を見てまるで自分には何の関係もないかのように淡々と現場を去っていったヒロインを見て、「ああ、彼女は積極的に誰かと関わろうという情はないんだ」ということが何となく理解できた。まあいちいち深入りしていたらろくなことにならないから「あっしには関わりのないことで」と立ち去るのは渡世人の処世術して当然とは言えるんだが。

 とにかくあの男のあの状況を見て、花畑にファイヤーボールの一発もかます気も起きずに、こういう生態の植物もいるというように淡々としているのは驚きました。まあそもそも「有害な花があり、魔女でないと栄養にされる」というところまで分かってるんなら、本来は領主辺りが魔法使いを雇って「薙ぎ払え!」ってやるべきなんですが。

 

善意が秘めるとてつもない残酷さに気付かない能天気男の寓話

 後半は全くの善意がとんでもない悪意になることがあるというお話。まあヒロインが読んだという寓話の結末、想像がつきましたが。どうしようもない運命の中であえいでいる人物に、外にこんな幸福な世界があるんですよと見せつけるのは実はとんでなく残酷な気がします。今回のあの能天気な領主の息子がしたことはまさしくそれ。奴隷の身分に甘んじていて人生の目的や楽しみなんて見いだせない彼女に、「外にはこんな幸福がある」なんて見せて幸福になるはずがない。彼女はもろに親父から暴力を受けてましたが、何となくそれ以上にえげつないこともされているのも匂わせている。そんなことさえ分からない彼は能天気すぎる。だからあれを見せるのなら、「そういう人生を送れるように僕が君をここから解放してやる」と親父を殴り倒して彼女を家から連れ出さないと駄目なんですが、それだけの甲斐性はないでしょう。あのボンボンには。その甲斐性が彼にあれば、もっと違った形の「いい話」になります。

 というわけで元々の寓話と似たり寄ったりの結果になるのは想像がつくのですが、それに対してヒロインは「その結果は知りたくもない」でバッサリなんですよね。やっぱりとことん情が薄いよな。せいぜいがあまりに見かねてポットを割った時にフォローしてやったぐらい。あれにしても彼女を思ってというよりも、親父の態度が不快過ぎて耐えられなかったという辺りが本音でしょうから。

 

諸々感じたことはありますが・・・

 まあこういうところも今風なのかな。余計なことに首を突っ込んで損をしたくはない。私は私の分を守ると。なんかこのヒロインに魅力を感じないなと疑問を持ってたんだが、いきなりの自分上げの露骨さが鼻につくということもあったが、一番の原因はこれだった。

 なおどうも不合理なことがいろいろあるこの世界について、今回一つ分かったことは、魔法を使える男もいるらしいということ。ただ魔女についてはその育成から認定までの一貫した制度があるようだが、男の魔法使いの場合はどうなってるんだ? それにそもそも男の魔法使いのことを何て呼んでるんだ?

 で、今回やっぱり思ったんだが、このヒロインって私が思っていた通りに引きつり笑いが一番似合うわ。彼女にとっては一番人間らしい表情という気がする。彼女のこういう表情がチョコチョコ出てくるタイプのストーリー展開になった方が、魅力のある話になりそうなんだけどな。まあ作者の目指しているところは私とは全く違うんだろう。

 というわけであと数回はフォローしますが、私の感覚とのズレが明らかになったらその時点で脱落かな。

 

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