白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

昨日のアニメ(水曜日版+α)

 昨晩新たにBS11で放送開始されたアニメと、それ以外でAT-Xから拾ったアニメ数本について目を通しました。

 

禍つヴァールハイト-ZUERST- 第1話「THE GATEWAY -PartOne-」

 なんかタイトルをどう読んだら良いのかから分からない作品。見終わった一番の感想は「巻き込まれたトラックの運ちゃん可哀想に」っての(笑)。主人公がやった余計なお世話のせいで逮捕され、挙げ句が事件に巻き込まれて脱獄囚となり、ついには最後には殺人までやってしまった模様。人間、落ちていく時にはこうやって落ちていきますってことを淡々と描いた作品・・・ってわけでもないでしょうが。

 まだ説明がほとんどなかったので、世界観がよく把握できてません。冒頭にいきなり「バシュタールの惨劇」(ジャイアントロボTHE ANIMATIONをご参照ください)が起こっていたが、あれが本編の話とどうつながっているのかもよく分からんし。

 主人公はどうやら貧しい家の育ちで、軍人になることによって豊かさを目指したというところのようだ。まあ貧しい国ってのは、軍人になるしか庶民が食う方法がなくなるわけである。だからアメリカは今でも意図的に貧困層を作り出しているし、日本の現政権もそれに倣って庶民の貧困化を進めているというわけ。

 それはともかくとして、この主人公は多分まだ自分がやった余計なことがこの事態を招いたってことは分かってないでしょうな。で、下手したら巻き込まれた可哀想な運ちゃんを乱戦の中で主人公が殺すって展開もあり得るかも。何にせよ、この最初の出撃は主人公にとっても軍人というものの残酷さを知る切っ掛けになりそう。

 どういう方向を目指している作品か知らないが、あの密輸屋と呼ばれていた連中、密輸屋というよりは反政府ゲリラ的な存在の模様。そして明らかに主役クラス扱いを受けているような連中がいることを考えると、いずれはそっちが話のメインになるのか? 今の社会体制がかなり腐敗しているようだから、段々と主人公もそれに気がついて、反政府ゲリラに身を投じていくというタイプの話だろうか? とりあえず来週以降も要経過観察。

 

憂国のモリアーティ 01「伯爵の犯罪」

 モリアーティといえばホームズのライバルの犯罪者だったと思ったが、実際に番組でもそのモリアーティだと紹介していた。しかし登場するモリアーティは美形の三兄弟の上にホームズとは全く関係なさそう。と言うわけで実質的には名前を借りただけの美形アニメのようである。

 クライムミステリーと名乗っていたと思うが、今回の内容を見る限りではミステリー要素はほとんどなくて単なる「仕事人」。必殺シリーズと違って主人公達が手を下すのでなく、依頼者に手を下させて彼らはその痕跡を消し去るってことをやっている模様。これを「完全犯罪」と言っていたが、完全犯罪に固執する美学だけがモリアーティというわけか。

 何となく猟奇ものの雰囲気もあったが、今回見る限りでは極端に血みどろというわけでなくてギリギリ許容範囲。一番の残酷シーンになったら規制がかかっている。あえて見せずに「ご想像ください」という展開。大昔の東映映画みたいなものだ(笑)。

 主人公達の美形度は作品を通して「死守」してるし、ストーリーもまあまあお洒落。ラインハルトがロンドンに転生したような主人公キャラは腐女子受けしそうだが、単に腐女子だけ対象の作品でもなさそうだ。もっと人間心理に斬り込むようなところが欲しかった気がするが、1話30分の尺で第1話のためにキャラ紹介も兼ねている中ではこのぐらいが限界か。今後さらに真価が見えてきそう。これも要経過観察。


 以上が昨晩のBS11での放送作品。後はAT-Xで拾った作品を

 

アクダマドライブ 第1話

 どうやら未来の大阪と思われるサイバーな都市で、集められた犯罪者6人と巻き込まれた少女が1人、何かの目的のために強制的にチームを組まされる模様。未来型特攻野郎Aチームか?

 ギラギラしたお洒落な画面にスピーディーな展開、個性が強くて倫理観のぶっ飛んでいるキャラクター達。確かに「悪玉」揃いである。これからテンポ良くクライムアクションを展開していくんだろうと言うことは大体想像できる。

 いかにも今風のお洒落系作品なので、恐らく巷の評価はそれなりに高くなるだろうなというのは予想できるのだが、正直なところ私の嗜好とはとことんズレてるんで、これはいきなり脱落。

 

キングスレイド 意志を継ぐものたち 第1話

 何やら王道ファンタジーを思わせる内容。100年ほど前に騒乱があった模様で、その時の経緯から何やらダークエルフが非常に恨まれているようであるが、それには実際は裏がありそう。

 主人公は絵に描いたような主人公。真っ直ぐで「みんなを守りたい」という意識だけで突っ走っているが、意識先行で剣の腕はまだ発展途上。恐らくこれから修羅場をくぐり抜けていくことで一流の剣士へと成長を遂げる過程を描いていくんだろう。

 設定が諸々ゲームくさいなとは感じたが、調べてみたところやっぱり元ネタはゲームの模様。ダークエルフ側とダブル主役の雰囲気があったから、多分あっちを主人公にしての裏プレイのようなものもあるのだろう。恐らくストーリーが進んでいるにつれて、各人の思惑と大義が交錯していくことになるだろうと思われる。

 作品としての不安要因は、この手のゲーム原作の作品は往々にしてストーリーの焦点が不明になって最終的にグチャグチャな話になりやすいこと。主人公を一本に絞って単純にその成長を描いていったらまとまりやすいが、下手に「人気のあるあのキャラも、そしてこのキャラも」とやり出したら空中分解する。

 ところで主人公の幼なじみの剣士がいきなり行方不明になっているようだが、もしかして将来的に魔族側の幹部クラスとして再登場って展開もありか? 仮面ライダーブラックなんかでもあった鉄壁の黄金パターンですから。まあこの作品は要経過観察。

 

トニカクカワイイ 第1話

 通常のラブコメは大抵結婚はラストになるんだが、いきなりそこから始まるという変わったタイプの作品。しかも主人公はキラキラネームに対するコンプレックスから逆に猛烈な努力をしてエリート高校を1位の成績で合格したという努力の天才。もっとも高校は入学辞退してアルバイトしていたと言うから、実際は中卒のフリーターである。

 そういう経緯から「優秀なんだがとにかく世間をよく分かっていない」というズレたところのある奴。そんな奴がいきなり出会った美少女に一目惚れして、交通事故で死にかけながら命がけで「つきあってください」プロポーズしたら、「結婚してくれるなら」と一足飛びにそこまで行ったという良く分からん展開。また彼女の方も主人公をかばって事故に遭っているはずなのに全くダメージがないようであることから、通常の人間ではないと思われる。主人公はやたらにかぐや姫に喩えているが、実際にかぐや姫という展開もあり得る。

 まあ世間からずれている主人公と、やっぱり少しおかしいヒロインの楽しいドタバタでハートウォーミングな日常生活という内容になるだろうが、いわゆる「のろけ話」になっていくのが予想できる。キャラはそれなりに魅力はあるが、まあ私の見るような話ではないだろうということで、これは今回で脱落

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

 確か随分と昔にジャンプに連載されていてアニメ化もされた作品だと思うが、今更リメイクか。確かに時代が変わったために、いかにもセル画だった前作とは違ってCG多用の今風の画面になっている。動きも良いし、キャラもなかなか生きている。

 とは言うものの何を今更感が強い。つい最近に魔法陣グルグルがリメイクされたこともあったが、あれと同じような感覚か。もっともあっちの作品はかなりスベりまくったが、こっちはそれよりは出来が良い。

 確かこの作品ってかなり長大な話だったような気がするのだが、そんなに長々と放送するつもりなんだろうか? 確か以前のアニメシリーズもかなり話数が多かった記憶が(私は全くといってよいぐらい見ていないので細かくは知らないが)。とかいってまるでダイジェストのように大急ぎで話進めたら原作ファンの顰蹙を買うし、途中で終わりってのもあまりに視聴者を馬鹿にしているし。

 まあ何にせよジャンプ系は基本的に私の守備範囲外です。ましてやあの時代のジャンプは。というわけでこれもいきなり脱落。

 

無能なナナ 第1,2話

 いやー、こいつについてはなんの予備知識もなしに見たもんで、正直度肝を抜かれました。アニメのお約束を逆手に取っての思いっきりのどんでん返しで不意を突いてくるという展開。この意表を突くダークさに計算尽くの胸糞悪さは相当のもの。第1話のインパクトとしてはこれを上回るものはないでしょう。こういう衝撃的な話って、これも最近の流行なんでしょうね。ひぐらしとかスクールデイズとか、私は見たことない(見る気もない)ですが。

 話の主人公を完全に別のキャラに見せていたのが巧みなところで、こちらとしては予備知識が全くないものだから、彼の話と思ってみていたら、真の主人公がいきなり暗黒変して彼を殺害して終わりですからね。衝撃的というか、ゾッとしたというか、まあ心に思いきりひっかき傷を付けるのには成功しましたね。そう言えば「創作って心をひっかいてなんぼ」って言ってたのは誰だったかな・・・。

 もっとも2話になるともうネタバレしてしまっているわけですから、特殊能力を持つ殺害困難な相手をいかなる策略で殺害するかというだけの話になってしまった。こうなると単に胸糞悪さがあるだけで興味は大幅に減退したのは否定できない。

 まあ正直言うと「もろに大嫌い」なタイプの作品です。今後は多分あのダークなヒロインの背後に控える事情とかも出てくるんでしょうが、基本的に「どうやって殺すか」がメインの話でしょうからあまり興味はないですね。「どうやって殺すか」がメインで楽しめるのはゴルゴぐらいです。と言うわけでこれも脱落です。


 と言うわけで今回は結構な数の作品に目を通しましたが、作品が駄目ってわけではなく、もろに「私の趣味に合わない」という理由で半分方がいきなり脱落です。